2012/04/23

佐藤工業が介護事業に参入! 第1号「マナの家増泉」が開所

「マナの家増泉」
 佐藤工業が、事業多角化の一環として参入を計画している介護事業が本格始動する。金沢市内の設計事務所と共同出資した会社が運営する、初めての介護施設が21日、同市内でオープンした。運営会社では今後、全国展開を視野に年間2-4棟を目標に施設設置を加速する。

同社は4月1日付で、介護事業やPPP・PFI事業を検討するため、本社多角化事業統括部に「PPP・介護事業ユニット」を設置した。今回オープンした介護施設「マナの家増泉」は、事業参入第1号となる。デイサービス、ショートステイ、有料老人ホームなどで構成し、規模はS造5階建て延べ2300㎡。1階には診療所も設置している。
 運営会社「マルティバース」は、岩倉建築設計と共同出資し設立した。今回オープンした施設は土地も含め佐藤工業が所有し、運営会社に貸与する。岩倉建築設計は8年前から同市内で介護施設「マナの家」(計3施設)を運営してきたが、全国展開も視野に入れつつ、「佐藤工業の資金、人、信用、われわれが持つノウハウを相互に持ち寄り、事業拡大を図る」(岩倉舟伊智社長、マナの家代表)目的で昨年、運営会社を立ち上げた。
 佐藤工業にとっては、多角化の一環で参入を計画している介護事業のベースとなるとともに、ノウハウを蓄積できるメリットもある。運営会社では今後、年間2-4棟、40-50億円の売り上げを目標に、施設設置を急ぐ考えで、外部の事業者との緩やかな連携も想定しており、柔軟な事業スキームで対応していく。既に2号案件が富山県高岡市内で設計段階を迎えているという。将来的には社会福祉法人と医療法人も立ち上げて事業メニューを拡大する方針。
 入居に先立ち、20日に行われた開所式では岩倉代表、島津良孝佐藤工業副社長らがテープカットし、「マナの家の顔になっていく施設」の開所を祝った。マナの家は、職員の「幸せ」を実現する職場環境の創造を重視した上で、マナの語源にも由来する「食」の提供に徹底的にこだわるなど、具体的で明確な理念を実践しているのが特徴だ。

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