外観パース |
同ホールの基本計画には、▽三次全市民が日常的に芸術文化に触れ、健やかで豊かな心を育む▽自然とまちを同時に感じられる環境の中で、三次独自の芸術文化を育む▽県北の中核都市における芸術文化の発信拠点となる--の3項目が盛り込まれている。この基本理念を設計に反映させるため、設計者選定には公募型プロポーザルを採用し、66者にも及ぶ参加表明者の中から1次、2次審査を経て、青木淳建築計画事務所を特定した。
現在の現場状況。11月の完成へ最盛期を迎えている |
◇市民の参加機会をあらゆる場面で
真っ白な仮囲いを設置、地元の子どもたちがペイントした |
市民ワークショップ |
◇劇場コンサルが地元運営力高める
計画段階からプロジェクトに携わる杉原氏は「ホール建設は、完成後の管理運営を含め素人には難しい世界であることを実感した」という。そういう意味でも劇場コンサルタントとして当初から参画しているシアターワークショップの存在が大きかった。劇場コンサルの草分けである同社代表の伊東正示氏は、職能としての劇場コンサルタントの確立と一連の業績に対して日本建築学会賞を受賞している。杉原氏は「ハード面はもとより、管理運営に対する助言など、文字どおり総合コンサルタントとして頼もしい存在だった」とホール建設を検討する他の自治体からの問い合わせにも自信を持って推薦している。
公募した施設の愛称は、926件にも及ぶ応募の中から「きりり」に決定した。市の気候特性(霧の海)と施設のイメージが合致したことが最大の決め手となった。
施設は、同市三次町131-1地先(願万地地区)の敷地約1.4haに、RC造5階建て延べ約6880㎡の規模で建設する。工期はことし11月19日までとなっており、工事も最盛期を迎えている。来年3月のグランドオープンまでの約3カ月間も盛りだくさんのプレイベントが企画されているほか、開館直後のこけら落としで終わるのではなく、市民の発表やプロの公演を多様に開催することを目指し、開館1周年までをオープニングイヤーと位置付け、さまざまなイベントを開催する。
◆事業概要
▽名 称=三次市民ホール
▽建築主=三次市
▽設計=青木淳建築計画事務所
▽施工=鹿島・加藤組JV
▽工期=11月19日まで
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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