2014/04/14

【建材】公共エクステリアに熱い視線 積雪対応製品ぞくぞく

LIXILはローコストのスチール駐輪場を商品化
東北復興や東京五輪を見据え、建材メーカー各社が公共のエクステリア市場に目線を向け始めた。東京・有明の東京ビッグサイトで11、12の両日開かれた展示会「エクステリア・エキシビション」では住宅系製品に混じり、ビル系を含む公共向けエクステリア製品をアピールする動きが目立った。消費増税による住宅市場の落ち込みをにらみ、商品開発の軸を公共向けにも広げる動きが見え隠れしている。
 公共向けに駐輪場の新商品を投入するのはLIXIL。これまでアルミ製に限定してきたが、新たにスチール製をラインアップに加えた。価格が従来より1、2割抑えられるほか、強度も高まる。屋根上の積雪はアルミ製の200mmに対し、スチール製では1500mmまで対応できる。

三協立山の通路シェルターは積雪1500ミリ対応
2月に首都圏を襲った大雪を受け、積雪加重対応をアピールポイントにした商品展開もトレンドの1つだ。駅前広場などに設置される通路シェルターの商品拡充に力を入れる三協立山の三協アルミ社は、従来品の柱や桁などを増強した新タイプを用意し、積雪1500mmの対応を可能にした。
 庭や外構部分を演出する住宅系のエクステリアは建物が完成から1年後ぐらいに工事が行われるケースが多い。展示会では駆け込み住宅からのエクステリア需要を取り込むメーカー各社の狙いから住宅系製品が中心になった。これまでパブリック系の販売割合が高かった四国化成では、消費増税の住宅駆け込み需要により、住宅系製品の割合が45%まで増加したが、今後は「パブリック系が戻ってくる」と目線を戻そうと考えている。
 LIXILは、公共エクステリア市場を年間800億円規模と試算している。小林秀樹上席執行役員は「この分野で当社の売り上げは現在まだ50億円程度しかなく、エクステリア分野全体で5割のシェアをもつ当社にとっては、今後もっとも力を入れていかなければいけない重点分野」と強調する。
 6月にはスチール製駐輪場に加え、商業施設を中心に需要を見込む防音めかくしフェンスの採光タイプも販売を始めるが、まだ商品ラインアップは少ないのが現状だ。小林上席執行役員は「試算する市場規模800億円に東北復興や東京五輪の特需は含めていないだけに、市場拡大の期待は大きく、これから一気に商品開発を強める」と力を込めている。
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