2014/04/16

【自在足場】垂直擁壁に「コゲラステーション」登場 しかも動く!

新宿駅方面の一部区間に設置されたコゲラステーション1号機
東鉄工業は15日、御茶ノ水駅付近の約1.1㎞(昌平橋~水道橋間)のJR中央線盛り土部に約4000本の棒状補強材を打ち込んで補強する、「御茶ノ水駅付近防災対策工事」の現場見学会を開いた。神田川沿いの法面は垂直擁壁部分も含め作業スペースが限られる上、増水時の水害防止のため河川内に常設仮設物が設置できないという厳しい制約条件の下、構台基礎杭が不要な壁面自在移動足場「コゲラステーション」や固定式の張り出し型足場を導入し、円滑な施工を実現している。
 同工事は東日本旅客鉄道(JR東日本)が首都直下地震対策の一環として実施。施工は東鉄工業・鉄建・鹿島JVが担当し、2016年度の完成を目指している。
 御茶ノ水駅付近の線路は、台地の切り取り法面と神田川に沿って盛り土した法面間に敷設されており作業スペースがほとんどないため、足場には張り出し式を採用している。ただ、固定式の張り出し足場では、必要な場所に棒状補強材を打設できない個所もあることから、1.1㎞のうち、約450mには油圧モーターで足場が上下左右に動くコゲラステーションを採用する。コゲラステーションは計6台を採用する計画で、既に新宿駅側の一部区間に1号機が設置されている。
 施工区間は全線にわたり線路に近接している。列車運行への影響を最小限にとどめるため、地盤の挙動を監視する計測装置など安全対策にも万全を期している。また、棒状補強材の設置は常時、神田川上での作業となるため、削孔時の泥水などの河川流入防止にも重点的に取り組んでいる。
 見学会であいさつした東鉄工業の小倉雅彦社長は、「1m横を列車が走行するなど、JRの首都直下地震対策工事の中でも最も難しい歴史的な工事だが、施主の要望に応えて施工を進めていきたい」と話した。
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