「雷ミハリ番」を中央に吉田氏(左)と仲島氏 |
「雷ミハリ番」は、同社が開発した雷検知器を使い、学校や法人向けなどに貸し出すサービス。高精度のセンサーが半径10㎞圏内の雷雲をとらえると、警報装置が作動する。
アラームは「注意」と「警戒」の2段階。注意段階では黄色い回転灯、より危険度の高い警戒段階になると赤い回転灯に変わり、ブザー音も発生する。通信機能を備え、登録者向けに電子メールによる通知機能も備えている。装置自体持ち運び可能で、基礎工事も不要。15分程度で設置完了できるという簡便さも売りだ。
同社開発営業部の吉田厚部長によると、きっかけは2012年夏に大阪市内で起きた野外ライブ会場での落雷事故。夏場に全国各地で開かれる花火大会を始めとする屋外イベントやゴルフ場、学校の部活動など、落雷による死者は毎年発生している。死亡事故で管理者側の責任を問われるケースが近年増えていることも踏まえ、「ピンポイントな雷情報の提供により救える命があるはず」(吉田部長)との思いから雷検知器を開発した。
商品には自信はある。だが設置工事費まで含めると300万円近くかかる値段がネックにもなる。「もっと広く、安価に利用してもらえる方法はないだろうか」(同)と考えた末、レンタル化にいきついたという。
このサービスの利用をいち早く決めた自治体がある。大阪府南部の熊取町(中西誠町長)は、14年度当初予算に「雷ミハリ番」の試行導入費を計上した。役場庁舎の屋上に設置を計画している。同町の面積は約17km2mで、センサー1基で町のほぼ全域をカバーすることができるという。
事業を担当する同町危機管理課によると、「購入するとなれば数百万の投資になるが、レンタルサービスであれば比較的安価でハードルも低い」と導入の決め手について説明する。
レンタル事業は、大阪市に本社を置くベンチャー・具現化(仲島秀豊社長)が担当する。同社は高級マッサージチェアのレンタルを展開、業績を伸ばしている。全国の学校・幼稚園や自治体、ゴルフ場、工事現場などでのニーズをにらみ、学校向けは月額3万2000円、法人向けで同6万円(いずれも税別)の2タイプのプランを用意している。
仲島社長は、「機能や保証面でも、従来製品に比べて優位性は高い」と今後の展開に自信を見せる。
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