2014/04/12

【現場の逸品】重さは100分の1 大橋JCTにも使われた発泡樹脂材

目黒天空庭園に1,500立方メートル敷き詰められたエスレンブロック
積水化成品工業が1985年に提供を始めたEPS(発泡樹脂)土木工法用軽量盛土材『エスレンブロック』。重量は土砂やコンクリートの100分の1であるため、地盤の支持力不足に役立つ。軽量であるため、大型建機が不要で、人力施工と急速施工が可能な上、現場加工も容易。採用実績は国内で約500万m3にも達する。
 首都高速3号渋谷線と中央環状線を結ぶ高低差71mの大橋ジャンクションでは、屋上公園「目黒天空庭園」の整備で、使用する土砂を最低限に抑えるため、軽量盛土として約1500m3のエスレンブロックが敷き詰められた。構造物への荷重を軽減し、耐震性を向上させるだけでなく、工期短縮にも貢献した。
 同社は軽量盛土分野で、2014年度に約15万m3、売り上げ規模で25億円を見込む。また、同公園には人工地盤上という厳しい条件の中で、体積当たり92%以上の水を貯留できる雨水貯留槽「クロスウエーブ」も22カ所に設置された。これは同社が積水テクノ成型と共同販売しており、ゲリラ豪雨対策として年間2億円の売り上げを目指している。
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