2014/04/30

【コンペ】バークレー校が最優秀 「LIXIL国際大学建築コンペ」

バークレー校(米国)の『NEST WE GROW』
LIXIL住生活財団が主催する第4回「LIXIL国際大学建築コンペ」の最優秀作品にカリフォルニア大学バークレー校(米国)の『NEST WE GROW』=写真=が選ばれた。25日、東京都千代田区の経団連会館で開かれた公開審査会では、参加した世界9カ国12校のうち1次審査を通過した同校とオスロ建築デザイン大学(ノルウェー)、東京農業大学の上位3校がプレゼンテーションを行った。
 今回のテーマは「プロダクティブ・ガーデン-大樹町を五感で味わう空間」。同財団が所有する北海道大樹町の「メム メドウズ」を舞台に自然、景観、食材を利用し、五感を使って人が集う場所にする提案を求めた。

 最優秀の「NEST WE GROW」は、大地から食べ物と家が生まれる空間、巣(NEST)の創出を提案。壁にかけられたプランターで多様な野菜で育て、栽培、収穫、収納、調理、消費、堆肥とすべての段階でコミュニティーが参加し、地産地消を実現する。日干しレンガで風を防ぎ、半透明の素材で覆い太陽光を取り入れ、屋根から雨水も利用するとしている。

審査員とカリフォルニア大学バークレー校関係者
審査委員長を務めた建築家の隈研吾氏は「今回は面白い問題がいろいろ提起された。建築的なインパクトと、ランドスケープとしてのインパクト、それが環境にどういう影響を与えるか。植物と人間との関係といった哲学的な深いところにも踏み込めた。選ばれた案は現実や植物の本質に合わせて、いかに皆さんに喜んでいただく案にしていくか、これからのプロセスが大事だ」と述べた。
 隈氏以外の審査委員は工学博士で東大副学長の野城智也氏、造園家で農学博士の進士五十八氏、放送作家で脚本家の小山薫堂氏が務めた。
 最優秀作品は、「メム メドウズ」内に隈研吾建築都市設計事務所監修のもと実際に建設される。今夏に着工、今秋には竣工する予定だ。
 そのほかの参加校は、デルフト工科大(オランダ)、ミラノ工科大(イタリア)、ライプニッツ大学ハノーファー(ドイツ)、ユタ大(米国)、同済大(中国)、シンガポール国立大(シンガポール)、バンドン工科大(インドネシア)、東大、北大。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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