消費電力70ワットのXIは700ワット級の水銀灯と同等性能 |
XIは70ワットの消費電力でありながら、700ワット級の水銀灯や400ワット級のメタルハライドランプと同等の能力を誇る。他社のLEDでは100ワット製品がこれに当たるが、同社のLEDは電流を効率的にコントロールする特許技術が下支えしている。
一般的にLEDは直流電源の回路で設計されているため、電力会社から供給される交流電源を直流に変換する電解コンデンサーの搭載が欠かせない。中にある電解液は熱に弱く、一定時間を超えると蒸発してしまう懸念もある。交流電源のX1は電解コンデンサーがいらないため、LED自体の長寿命化にもつながる。同社は、通常のLEDの2倍に当たる8万時間の点灯を実現できると試算している。
XIには、LEDの電源回路に搭載されているスイッチングレギュレーターも存在しない。これはノイズや高調波の発生原因と言われ、大量にLED照明を設置した場合にテレビなどの電波障害が発生した事例も報告されている。点滅性能も売りの1つ。通常は1秒間に50-60%だが、XIは80%を占めており、人がちらつきを感じるフリッカー現象も感じにくい。これらの性能が評価され国の研究施設で試験的な導入も決まった。
国連で水銀条約が合意され、水銀灯などのランプ製造や輸出入が2020年から禁止される。省エネ要求の高まりを背景に民間建築物に加え、公共施設でもLED化の動きは進展しており、国内市場規模は2兆円を超えるとの試算もある。同社は、拡大するLED需要を取り込み、将来的には国内シェアの10%を目指す。
シリーズ初弾のXIは高さ8m級の高天井向け70ワット製品として商品化。今夏には高さ10m級の110ワット製品、さらに高さ20m級の220ワット製品も順次市場に投入する計画だ。これにより倉庫から競技場までを幅広くカバーするラインアップが整う。
オフィス向けのフラットタイプ『XP』も近く販売を予定しており、室内需要への対応も進めるが、「今秋には街灯、年明けには道路灯の商品も控えている。新参者だけに屋内より、むしろ屋外や土木市場に力を入れていく」(浦上取締役)と先を見据えている。
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