2014/05/03

【ASJ】建築家と個人を結ぶ情報発信拠点 横浜ランドマークにオープン

建築家の手がけた住宅の写真や模型、映像を展示。来場者は自由に家づくりを相談できる場も設けられている
日本最大級の建築家ネットワーク事業を展開するアーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)は4月20日、建築家の情報発信の拠点「ASJ YOKOHAMA CELL」を横浜ランドマークタワーにオープンした。首都圏初の情報拠点として建築家による家づくりサポートを本格化し、ハウスメーカーが数多くの住宅を手掛ける現状に一石を投じることになりそうだ。

 常設展として建築家が手掛けた住宅の写真や模型、映像を紹介する。また建築家と来場者が直接家づくりについて相談する場を設けており、建築家は来場者と直接設計契約を結ぶこともできる。
 ASJの丸山雄平代表取締役は、4月19日に開かれた内覧会で「『ASJ YOKOHAMA CELL』で広く社会に建築家のファンを増やし、都市部の富裕層だけが建築家と付き合う状況を変えたい」と期待力を込めた。
 「適切なコストで個人のニーズに合わせた住宅をデザインする当たり前のこと」を実現するため、今後も情報発信やイベント開催などを通じてコスト重視のハウスメーカーでもデザイン重視の建築家でもない建築のあり方を提案していく考えだ。
 ASJ登録建築家として約9年にわたり来場者からの相談や設計業務を受けてきた建築家の田代敦久氏(田代計画設計工房)は「多くの人はハウスメーカーを利用し建築家に仕事を依頼する機会が少ない。施主にハウスメーカー以外の選択肢を増やすためASJに参加している」と語る。その上で「受発注方式が従来と異なるため抵抗感を持つ建築家もいる。しかし、建築家と施主のメリットや日本の建築文化・景観に貢献することが重要ではないか」と強調する。
 所在地は横浜市西区の横浜ランドマークタワー31階。年末年始を除き年中無休で、開場時間は午前10時から午後7時まで。入場無料。
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