2014/05/09

【3000t級起重機船】245mの隅田川橋りょうを一括架設! 環2最終章へ

東京都建設局は8日、築地地区と勝どき地区をつなぐ環状第2号線・隅田川橋りょう(仮称)の中央径間(鋼桁)を架設した=写真。国内最大級となる3000t級の起重機船を導入。両サイドの橋脚の間に長さ120.0m、高さ18.6m、重量2600tの鋼桁を約4時間かけて慎重に落とし込んだ。

 隅田川橋りょう(仮称)は長さ245m、幅32.3-47.9mの規模。形式は3径間中路式アーチ橋となる。隅田川最下流部に位置する第一橋梁にふさわしいシンボル性を持ちながら、隣接する勝鬨(どき)橋との景観に調和する橋梁形式を採用した。
 デザインコンセプトは、技術と美しさを詰め込んだ「22世紀にも建設意思が伝わる橋」--。美しい放物線を描くアーチ部材がやや外側に傾けられた独特のシルエットを持ち、若干青みがかった明るい灰色は現代的な雰囲気を醸す。この特徴的なデザインを具現化した桁製作や起重機船による架設には建設産業の技術が結集された。設計は大日本コンサルタント。施工は大成建設、オリエンタル白石・片柳建設JV、IHIインフラシステム・川田工業JVなど。

国内最大級の3000トン級起重機船
東京都建設局が整備を進める環状第2号線・隅田川橋りょう(仮称)整備事業が大きな節目を迎えた。4月21日の築地側側径間、同23日の勝どき側側径間の鋼桁架設に続き、8日に国内最大級のフローティングクレーン(起重機船)で中央径間(鋼桁)を架設。優美なアーチ構造を持つ新たなシンボル橋が全容を現した。完成は2015年度を予定。同橋は隅田川最下流部に位置する新ゲートとなる。
 対象の隅田川橋りょう(仮称)は、15年度の全線開通を目指す環状第2号線の主要構造物の一つ。20年東京オリンピック・パラリンピックの開催でより重要度が増す「環2」で隅田川に架かる長さ245m、幅32.3-47.9m規模の長大橋だ。
 08年に完成した「環2・豊洲大橋」と並んで都心部と臨海部をつなぐ交通ネットワークの核となる。
 構造形式は鋼3径間連続中路式アーチ橋。優美なアーチ構造は勝鬨(どき)橋や永代橋、清洲橋など隅田川に架かる著名橋にも劣らぬシンボル性を放つ。

◆特徴的なデザイン、桁製作に高い技術力
 デザインコンセプトは、技術と美しさを詰め込んだ「22世紀にも建設意思が伝わる橋」--。隅田川に架かる歴史的な橋梁群と同様にアーチ形式を採用しながらもアーチを外側に傾け、車道の上部(上空)に構造部材(上横支材)を設置しない斬新なデザインになっている。
 アーチ部材が歩道側に傾きながらカーブしているため、車道部から見た視界は開放感にあふれる。また、真上から見ると、中央径間の歩道部が外側に膨らみ、川を見下ろす独立したテラスのようなつくりになっている点も特徴だ。この特徴的なシルエットを実現する桁製作には施工者の高い技術力と苦労があったという。

◆国内最大級起重機船、迫力のスケール  

重量2600トンの鋼桁を高精度で架設
8日の早朝6時半過ぎに河口から現れた中央径間(鋼桁)は長さ120.0m、高さ18.6m、重量2600tの迫力のスケール。国内最大級となる3000t級の起重機船(深田サルベージ建設)で約4時間かけて慎重に架設された。その精度は「15mm」という単位。オペレーターの技術がモノを言うとされる一括架設で両サイドの橋脚の間に正確に落とし込まれた。  今秋から照明設備などの付属物設置工事、15年度から舗装工事など上部仕上げ工事を進め、同年度末の完成を目指す。
 設計は大日本コンサルタント。下部工事は築地側からA1橋台が青木マリーン、P1橋脚が大成建設、P2橋脚がオリエンタル白石、A2橋台はオリエンタル白石・片柳建設JV、鋼けた製作・架設工事はIHIインフラシステム・川田工業JVが担当している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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