2014/05/01

【求む!】宮畑遺跡の“2つの謎”テーマにした小説・漫画 「元気福島」発信に

縄文の謎で「元気福島」を発信--。福島市にある縄文時代の集落跡にのこる“2つの謎”をテーマにした小説・漫画を広く募り、新たな魅力として全国に発信しようというユニークな取り組みがスタートした。「宮畑ミステリー大賞」だ。市と市民有志がつくる、じょーもぴあ活用推進協議会が主催、現代書林が協賛する。

 審査基準はただ一つ「面白いかどうか」。年齢、性別、職業、国籍など応募資格は一切問わない。審査員は同市出身の俳優、佐藤B作さん、「海猿」などで知られる漫画家の佐藤秀峰氏、書店「読書のすすめ」代表の清水克衛氏の3人。入賞作品は単行本として出版される。
 4月25日の募集開始に合わせ、東京都千代田区の都道府県会館で会見した小林香市長は、ミステリー大賞のテーマである宮畑縄文人が残した謎(ミステリー)を、「福島市の新たな魅力」として全国に発信し、「福島の復興」「元気な福島」を広くアピールしていく方針を示した。その上で「謎の舞台である宮畑遺跡、魅力あふれる福島市をぜひ訪れてほしい」と呼び掛けた。
 宮畑遺跡は、縄文時代中期(約4500-4000年前)、後期(約4000-3000年前)、晩期(約3000-2500年前)の3つのむら(集落)の跡が複合した遺跡で03年に国の史跡に指定された。市は現在、史跡整備工事を進めており、史跡公園「じょーもぴあ宮畑」として2015年度の開園を目指す。
 中期のむら跡から出土した竪穴住居46棟のうち、半数近い22棟が意図的に焼かれた痕跡があること、晩期のむら跡からは全国でも最大級の太さとなる直径90cmもの巨大な柱跡が見つかったことへの意味や用途、原因などは謎となっている。
 今回募集する作品は、この「2つの謎」の一つ、あるいは両方をテーマとした小説、漫画。小説はミステリー、SF、ファンタジー、ライトノベル、脚本などジャンルは問わない。
 小説は400字原稿用紙100枚以内、漫画は32頁以内。応募期間は15年3月末まで。8月23、24日には現地見学会も開く。最優秀賞(1点)には賞金50万円などを贈る。ほか優秀賞2点、特別賞7点以内を選定し、来年6月に発表する。
 とかくカタイと評される建設関係者のユーモアと、やわらかアタマ、センスの格好のみせどころ。ふるって挑戦してみてはいかが--。
 問い合わせは、じょーもぴあ活用推進協議会事務局(福島市教育委員会文化課埋蔵文化財係・電話024-535-1111、内線5375)まで。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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