体育館での報告会 |
サマーキャンプは、半島内にある28浜の暮らしの復興に向け、漁業・観光産業を中心とした浜ごとのまちづくりマスタープランを描くために企画。昨年7月に第1回キャンプが行われ、200枚に及ぶ調査報告書を作成した。
2回目となる今回は、より具体的な生活像と、そこに至る道筋を真剣に考えるため、震災から約1年半後の住民要望を再度ヒアリングした。
最終日に大原小学校体育館で開かれた報告会=写真=では、防災集団移転促進事業が進みつつある中で、新たに浮き彫りとなった課題や、津波浸水エリアの低平地利活用に関する住民の要望などが発表された。
法政大が調査した荻浜地区では、高台への移転希望が当初の24世帯から16世帯に減少しており、事業計画の見直しが必要となっている。
住民からは「16世帯の集落を維持できるかが心配。将来、被災者以外の住民も住めるようにするための議論をしてほしい」との声が聞かれたという。
大阪市立大が担当した前網浜は、急斜面に張り付くように形成された小規模漁業集落で、もともと低平地が少ない。この低平地に高さ6mの防潮堤がつくられる計画だが、「防潮堤で守れる範囲は狭く、利用できる土地がさらに少なくなる。防潮堤をつくるのはいかがなものか」との意見も寄せられた。
このほか、浜と移転先の高台を結ぶ道路の整備や、荷揚げ場の早期かさ上げ実施、浜の近くへの共同休憩所・炊事場の設置などを求める声が多かったという。
アーキエイドでは近く、今回の調査に関する報告書をまとめ、石巻市に提出する予定だ。
建設通信新聞2012年9月4日6面
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