2012/09/06

福島県飯舘村をスマートコミュニティー化!

東芝は、スマートコミュニケーションズ(本社・東京都千代田区、上遠野健一社長)と共同で、福島県飯舘村(菅野典雄村長)の復興事業に協力する。経済復興、地域活性化を進める「新までいな村(仮称)構想推進準備委員会」に協力するため、同村との間で協定を結んだ。再生可能エネルギーの導入を柱とする村内拠点のスマートコミュニティー化や、村内外をつなぐ情報発信などのノウハウの提供や具体的な提案、人的支援を行うという。今後両社は、委員会の中で復興計画の具体化に向けた協力内容を協議する。
 今回の協定で両社は、生活インフラの整備や産業振興に向けたマスタープランづくりに協力するほか、飯舘村の里山復興を目指す「新までいな村構想・スマートビレッジ構想」の具体化に向けて検討する。
 東芝は、飯舘村の75%を占める森林を有効活用するバイオマス(生物資源)発電や風力、太陽光などの再生可能エネルギーの導入・設置へ向け、技術検証を始め、売電・熱電供給サービスの事業性検証などを進める。
 また、スマートコミュニケーションズは、復興計画の進捗情報の発信サービスなどの面で協力する。

◇「までい」の精神生かす

 両社は、「新までいな村構想の計画策定段階から参画し、それぞれが保有するさまざまな知見、ノウハウを提案していくことで早期実現を目指す」ことにしている。
 今後、再生可能エネルギーの発電や村内のエネルギー利用制御などの運営・事業化に当たる「いいたて復興公社(仮称)」の設立についても検討を進めていくという。
 協定の締結を終え菅野村長は、「復興は生やさしいものではない。いろいろな情報、ネットワークを持っている両社の協力は、希望の光だ」と話し、両社に感謝の意を述べた。
 東芝の渡辺敏治執行役専務は「私は福島の出身で、『までい』(真手い=手間ひま惜しまず、丁寧に、心を込めての意)は懐かしい言葉だ。この地域に暮らしてきた人の心、生き方を象徴する言葉だと思う。新しい技術を持ってきて並べるだけでは『復興』とはならない。暮らす人の声を聞いて『までい』にやっていくものだ。お役に立てるよう精いっぱい頑張っていく」と話している。
 飯舘村は現在、村の全域が計画的避難地域に指定されており、環境省が進めている除染後に帰村を促すため、村内に環境調和型の住宅設備や再生可能エネルギー発電所の建設、雇用創出に向けた産業振興などの取り組みが検討されている。
建設通信新聞 2012年9月6日6面

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