シールド発進に備えて準備が進む立坑 |
◇2本のシールドで海を渡る
一般国道357号東京港トンネルは、東京湾海底を通る首都高速湾岸線東京港トンネルの渋滞解消に向け、同トンネルと平行し、品川区東八潮(台場側)~同八潮2(大井側)に海側、山側2本の海底トンネルを新設する。海側を先行し、泥土圧シールド工法で、内径10・4m、長さ1470mの海底トンネルを建設する計画だ。
シールドで掘削する際、渡海部は土被りが小さく軟弱な地盤のため、施工時の浮き上がりに対する安全率が低いのが課題。そのため、トンネルの路面下部に緊急時の避難通路となるボックスカルバートを設置し、その左右にコンクリートによる重量付加部材を配し、浮き上がり防止の“重し"とした。
また、発進立坑と到達立坑の海底との接合部と、先に東京港トンネルを整備した際の岩ずりの堆積層と接する区間では、合成セグメント(6面鋼殻サンドイッチ型)を使用し、強度を高めている。
◇万全の安全対策
同工事事務所は東京港トンネル施工技術検討委員会(委員長・今田徹東京都立大名誉教授)をこれまでに2回開き、安全対策の徹底を図っている。この中では国の「シールドトンネル施工技術安全向上協議会」が7月にまとめた中間報告の5項目26の注意事項と、厚生労働省基準局が8月に示した「シールドトンネル施工に当たっての留意事項について」の3項目21の留意事項も安全対策に反映した。
その結果、新たに、停電時に避難時間などの確保するため30分間の通電を維持できるようにしたほか、シールドマシンのテール部にカメラを設置し、運転中に構内全体をチェックできるようにした。また、東京湾アクアラインで施工した際と同様に、セグメント装着時の浸水を防ぐテールシールを3枚から4枚に増やした。
栗原和彦工務課長は「シールドマシン発進以降も、新たな注意事項が発信された場合は、随時内容を取り込み、施工に反映させる」と今後さらなる安全対策に万全を期す構えだ。
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