ダボ穴の長手方向に余裕を持たせている |
部材同士の摩擦力で揺れを吸収する |
同社が開発した制震板壁工法は、ダボとダボ穴の形状を工夫したことで、部材同士の摩擦力による制震効果を生み出す。通常、ダボとダボ穴のサイズは一致するように作られるが、上板のダボ穴をあえてダボよりも長手方向に大きく加工している。この“遊び"によって地震時の揺れを摩擦力で吸収する仕組みだ。
長明寺(東京都台東区)の本堂 |
実際の施工時には、従来の耐震板壁などを基本として、今回の制震板壁を複数個所に施工することで相乗効果が期待できる。標準的な本堂での費用は全木工事費の1%程度で済み、メンテナンスも必要ない。伝統木造建築にも耐震性が求められる一方で、金物やダンパーを使いたがらない施主も多い。同社は今回の技術でこうしたニーズに対応し、受注拡大を目指す。
建設通信新聞 2012年9月20日3面
『伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル―限界耐力計算による耐震設計・耐震補強設計法』 AmazonLink
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