2012/09/27

建築空間とイス型ロボットの連携で人間の活動支援


 東京電機大学の未来科学部の建築、ロボットメカトロニクス、情報メディアの3学科が共同で、「スマートアゴラ」と呼ぶ共同研究を進める。もともと電機関係に強い同大学の特徴と、デジタルデザインにまで踏み込む建築学科の強みを生かして、独自の建築空間を模索する。22日に北千住のキャンパスで公開した。



 この研究は、「ロボットと共生する建築・都市デザイン」を目指して進んでいる。近年、自動掃除ロボットなどが一般家庭に普及し、病院などでも医療器具運搬ロボなどが実用化されている。
 同大学建築学科の渡邊朗子研究室では、家電が発達しても、それぞれの連携が弱いことに着目、内装などのインフィル的な建築が、それぞれの発達のつなぎ役になることを研究している。
 このスマートアゴラは、情報を表示する壁と、そこから自動的に移動してくるいす型ロボットで構成される。人が壁の前に進むと、いすが壁から自走して人を座らせ、仮想タッチスクリーンで情報を表示し、用が済んで人が出て行くといすが壁に戻るというもの。
 建築学科はロボットやセンサーをコンパクトに収める壁の設計を、ロボットメカトロニクス学科はいす型ロボットと人物検出・画像処理システムなどを、情報メディア学科は仮想タッチスクリーンを担当した。
 3学科は昨年春から学科を超えた取り組みを開始、「まずお互いを知ることから始めた」という。
 渡邊准教授は「今後、高齢者が幸せに生きていくためには介護ロボなども普及してくる。個別に進化するデジタル技術を、建築や都市を通して融合させたい」と話している。

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