出雲大社(島根県出雲市)の参詣道「神門通り」を全面石畳化する工事に、大成ロテックの自然石舗装「インジェクト工法」が採用された。長期耐久性と高級感を兼ね備えた工法で、“神々のふるさと"にふさわしい景観を演出している。
出雲大社の60年に一度となる大遷宮「本殿遷座祭」を2013年に控え、神門通りでは、電線類の地中化や自然石舗装による景観整備事業が進められている。出雲大社勢溜から一畑電鉄出雲大社前駅までの約330mを整備する第1期工事は、まるなか建設(松江市)が元請けとして施工し、7月に供用開始した。
この現場には、縦断勾配が8%を超える個所が約80mある。そこで、大成ロテックはインジェクト工法(CAモルタル充填工法)の適用に当たり、技術研究所で試験施工を実施。品質や施工速度を検証した上で本施工に臨み、良好な仕上がりを実現した。
同工法は1994年に大分県別府市内で初施工して以来、昨年度までに累計施工実績が20万㎡を超えた。施工件数は600件以上。最長18年間のメンテナンスフリーを達成している。最近では、長野善光寺(長野市)の参詣道整備やパレスホテル東京(東京都千代田区)のエントランスに採用された実績を持つ。
空練りモルタルで自然石を固定する従来工法では、車両走行時の衝撃荷重により、早く壊れてしまうケースが多かった。インジェクト工法は基盤舗装と自然石の間に、衝撃吸収性と接着性に優れたアスファルト系材料を充填することで、十分な耐久性や品質の均一性を確立した。同社は今後も都市、地方部を問わず、景観整備事業への採用を積極提案していく方針だ。
建設通信新聞 2012年9月6日3面
『土木施工の実際と解説―写真でみる土木工事の施工手順』 AmazonLink
0 コメント :
コメントを投稿