深夜に行われた「下田端こ道橋」の橋桁交換 |
この事業は、東京都から工事を受託した東日本旅客鉄道(JR東日本)が進めている。橋桁交換工事に当たっては、作業ヤードの狭さに加え、商業施設やマンションに近接する厳しい敷地的条件と、終電から始発までの時間的制約を克服するため、2年の準備期間を要し、綿密な架設計画の立案とリスク管理のシミュレーションを繰り返してきた。
当日は発注者や施工会社など500人以上の関係者が集まり、緊迫の工事を遂行した。最終列車の通過確認後、作業をスタートし、午前3時前に仮設桁、4時には新橋架設に支障となる既設橋台の一部撤去を完了。次に約50分で、新桁の設置を終えた。桁の架設後は、軌きょうの挿入やこの現場用に改良した大型ホッパーによる道床砕石投入、軌道整備を行い、予定どおりの工程を完遂し、始発列車の通過を無事確認した。
短時間施工の実現には、鉄道関連工事に強みを持つ東鉄工業ならではの工夫があった。旧桁撤去と新桁架設には650tクレーン、既設橋台撤去に360tクレーン、旧桁前後の仮設桁撤去に4台の50t軌陸クレーンというように、多様な重機械を適材適所に配置。線路内作業では、軌陸バックホーや軌陸タイタンパーを駆使し作業の効率を図った。
東鉄工業・佐藤工業JVの神戸成之所長は、「注目を集める工事だけに厳しさもあるが、近隣住民の期待に応えられるよう、若手社員とベテランの力を融合させ、チームワークの良さで頑張っていく」とし、残る工事にも所員一丸となって全力を尽くす決意だ。
建設通信新聞 2012年9月24日3面(見本紙をお送りします!)
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