2012/09/25

寝屋川バイバスをまたぐ橋桁、一夜で架設! 3次元追従するジャッキを採用

阪神高速道路会社は23日深夜、守口ジャンクション(仮称)の建設工事で国道1号(寝屋川バイパス)をまたぐ鋼製の橋桁を架設した。今回の工事のために開発した3次元追従が可能なジャッキを採用することで、急勾配かつ曲線の桁を自動で微調整しながら連続的に送り出す。今後、桁の回転などを行い、10月6日には最大で4・9mほど桁を下げ、定位置に配置する予定だ。
 守口ジャンクション(仮称)は、阪神高速12号守口線と近畿自動車道を連絡路で結ぶ。連絡路B・Cを阪神高速道路会社が、連絡路A・Dを西日本高速道路会社が役割分担をして建設している。2013年度の完成を予定している。阪神高速道路会社は10年2月に現場工事に着手し、ことし7月末には青木あすなろ建設の施工で下部工が完成した。
 今回の工事は近畿自動車道の吹田方面から来た車両を、阪神高速12号の大阪方面につなぐ連絡路Bの上部工を建設する。既に建設した上部工にレールを敷き、その上に載せた桁を、寝屋川バイパスを越えて送り出す。送り出し支間長は50・3mで、送り出し桁ブロック重量は新設桁165tを含めて312tに及ぶ。施工は三菱重工鉄構エンジニアリング・駒井ハルテックJVが担当している。

◇急勾配の曲線桁を自動で微調整

 桁は7・7%という厳しい勾配がついているほか、全体が半径1500mの曲線桁で、さらに先端部は曲線がきつくなっている複雑な形状が特徴。通常は何度も受け替え作業をしながら桁を送り出すが、短時間でスムーズに送り出すため、4台の連続送り出し機構「駆動シンクロジャッキ」を適用した。桁の移動はコンピューターで一元的に管理し、平均で1分当たり50cmの早いスピードで桁を送り出す。ジャッキは大瀧ジャッキ(本社・東京都足立区、大村栄子社長)が製造。三菱重工鉄構エンジニアリングJVが入札時に技術提案し、採用が決まった。
 前日に先行して手延機を送り出したのに続いて、23日に本設の桁を架設した。工事区間の道路を閉鎖した後、約100人の作業員が持ち場につき、深夜2時から桁の送り出しが始まった。基本的にコンピューターが制御し、大きな音を出すこともなく、少しずつ巨大な桁が動き始めた。今回の作業は報道陣に加えて、タイ高速道路公社(EXAT)から研修に来ている若手技術者5人も立ち会った。
 橋桁の送り出し作業が終わったことから、29日に桁の回転や横取りを行い、10月6日に桁を下げ、所定の位置に配置する。13年1月には中央環状線をまたぐ橋桁の設置を計画している。
 岡本美津男阪神高速道路会社守口ジャンクション建設事務所長 「現在の進捗率は事業費ベースで約60%。交通量が多く、工事ヤードも限られた中での作業で、安全管理に細心の注意を払っている。西日本高速道路会社と一緒になって、いいものをつくろうと取り組んできた。工期は厳しいが、沿道の方々も非常に協力的で、これまで順調に工事は進んでいる」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年9月25日11面

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