関係者用Wiki |
公的機関が作成したものとしては、NIBS(米国建築科学学会)からナショナルBIMスタンダードが出されている。また、AIA(米国建築家協会)は契約書のテンプレートを公表している。その他にも、CSI(米国建設仕様書協会)はデータ分類のためのコード体系を、GSA(米国連邦調達庁)はBIMガイドを出している。これらはいずれもウェブから入手できる。
プロジェクトの実行にはこうした基準類のほか、さらに、業務発注仕様書、関係者間の役割分担・作業手続き・納品データの仕様等を定める実施計画書、納品データの検収手法、評価手法といったものが必要となる。
◇関係者はWikiサイト利用
GSA本部では、こうしたツールをひとまとめにしてイントラネットに掲載している。これまでGSAが培ったノウハウの集大成である。
共有すべきデータには、より実践的で、スピードが要求され、個別性が強いものもあろう。GSAの第5地方局では、ミース・ファン・デル・ローエ設計のシカゴ連邦センターの4つの改修プロジェクトで、BIMデータの整合が取れるよう、プロジェクトの参加者が簡単に追記、編集できるWikiを利用した情報共有サイトを立ち上げた。この取り組みは評判がよく、2011年度の「AIA BIMアワード」を受賞している。
ノウハウには「オープンスタンダード」として公開されるべきものもあれば、知的財産として保護されるべきものもある。長期的に多数の関係者間で共有、伝達されるべきノウハウはオープンスタンダードとして定めるのがよいであろう。いずれにせよ利用されることが重要であり、オープンスタンダードが使いにくいからといって安易に独自仕様を採用したり、知的財産の保護にこだわるあまりBIMデータの伝達を拒否するということがあれば、それは本末転倒である。情報共有のためのルールづくりも重要である。
(内閣府沖縄総合事務局開発建設部営繕課長 大槻 泰士氏)
建設通信新聞 2012年9月19日18面
『BIM Handbook: A Guide to Building Information Modeling for Owners, Managers, Designers, Engineers and Contractors』 AmazonLink
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