2015/03/01

【復興特別版】2998mの唐丹第3トンネルが着工! 釜石市内へのアクセス円滑に

東北地方整備局が震災復興のリーディングプロジェクトとして整備を進めている三陸沿岸道路で2番目に長いトンネルとなる、唐丹第3トンネル工事の着工式が23日、岩手県釜石市唐丹町大曾根の現地で開かれた。今後、鹿島の施工で掘削工事が本格化する。

 同工事は、三陸沿岸道路の一部をなす吉浜釜石道路の釜石南インターチェンジ(IC)~釜石ジャンクション(JCT)間で、長大トンネルと釜石南ICを築造する。

トンネルの概要は、長さ2998m。内空断面積は94.9㎡で、本坑の掘削断面積は109.0-143.6㎡、掘削幅が15.2-16.6mにも達する大断面トンネルとなる。工法はNATM。一方、釜石南ICの盛土量は約130万m3。
 この日の式典には、佐藤和徳東北整備局南三陸国道事務所長、野田武則釜石市長、太田貴博鹿島執行役員東北副支店長、釜石市立唐丹中学校の生徒代表ら、関係者約80人が出席。来賓として祝辞を述べた野田市長は「3km近い長いトンネルだが、住民にとっては、先が大きく開けてくるトンネルになる」と期待を寄せ、佐藤所長は「このトンネルが抜けるとアップダウンの激しい現在の国道45号を回避でき、円滑に釜石市内と連絡できるようになる」と整備効果の一端を紹介した。
 この後、代表者15人による鍬(くわ)入れに続いて、太田副支店長が「これから始まる長い本坑掘削について、一点の品質の落ち度もなく、1人の災害もなく工事を進めていきたい」と決意を述べた。

唐丹中学校生徒による『大石虎舞』
また式典の冒頭には、唐丹中学校生徒が、被災地の早期復興を願い、地元に伝わる伝統芸能『大石虎舞』を披露した。

 新岡尚幸所長の話 「職員と協力会社の作業員を含め、全員が一致団結して安全管理に取り組む。発破もあるため、近隣対策には特に留意したい。今後、地域の方に現場を見てもらうなどし、完成後も愛着を持ってもらえるトンネルにしたい」
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 壊れにくい堤防へ 宮城県が菖蒲田海岸復旧に本格着手 復旧へ向けて一斉に鍬入れを行った  宮城県は7日、東日本大震災で大きな被害を受けた菖蒲田海岸(七ヶ浜町)の災害復旧工事に本格着手した。海岸堤防をかさ上げするとともに、津波が堤防を越流しても壊れにくい“粘り強い構造"を採用する。2015年度の完成を目指す。菖蒲田海岸は、1888年に東北地方で初めて開設された海水浴場・菖蒲田海水浴場のある海岸で、震災前は年間10万人以上の海水浴客でにぎわっていた。  しかし、昨年3月の大震災では約12mの津波が… Read More
  • 津波時にメールで避難場所を通知 今村東北大教授らがシステム開発 名取処理区で行われた社会実験  津波工学研究の第一人者である今村文彦東北大教授らが開発した「緊急津波避難情報システム」の社会実験が14日、宮城県名取市内のがれき処理現場で始まった。気象庁が提供する緊急地震速報などを活用し、あらかじめ登録されたメール受信端末に適切な避難情報を配信する。受信者が避難場所に到着したことをメールで返信することで安否が確認できる。今後、南海地震・津波の発生が予想される高知県などでも社会実験を行う予定だ。  同システ… Read More
  • 早大建築グループ提案が最優秀に 日本創生委員会の「復興構想コンテスト」 最優秀となった閖上地区の復興プラン  日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)が事務局を務める日本創生委員会の寺島実郎委員長が責任監修した「復興構想コンテスト」で、早大建築学科助手の若手研究者グループが提案した、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の復興プランが最優秀作品に輝いた。同市出身の建築家・針生承一氏や、ゆりあげ港朝市共同組合の櫻井広行代表理事を始め、信頼と実績のある地元キーマンの考えと、若手の斬新な発想を融合した提案だ。 ◇閖上地区… Read More
  • 福島・浪江の元気つなぐ新たな舟出 被災した蔵元のいま 新造の酒槽の前での鈴木大介専務(左)と荘司兄弟  地鎮祭や起工式、竣工式など、建設業に関係する神事に日本酒は欠かせない。東日本大震災で被災した東北3県では、こうした建設業と関連の深い日本酒の蔵元も被害を受けた。福島県浪江町の鈴木酒造店もその一つだ。津波被害を乗り越え、銘酒『磐城壽』復活に取り組む姿を、日本で唯一の醸造科学科を有する東京農業大学の進藤斉准教授に、被災したある酒蔵について寄稿してもらった。 ◇支援フェア特需と蚊帳の外  東京… Read More
  • 「魚のまち釜石」 2017年度の完全復活めざせ! 第二魚市場  東日本大震災から1年3カ月を経て漁業の水揚げが回復しつつある岩手県釜石市。今後は魚市場からの買い受け、加工・流通という一連の経済活動の復旧に向けた基盤づくりが焦点となる。6月8日には東京都内で日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、三村明夫会長)との共催により「魚のまち復興」に向けたシンポジウムを開き、首都圏の産官学に協力を呼び掛けた。 8つのうち7漁場までが復旧  世界屈指の三陸漁場とリアス式海岸に恵まれた釜石市の水産業… Read More

0 コメント :

コメントを投稿