2015/02/10

【3・11】東北地整の「災害初動期指揮心得」が電子書籍で無料ダウンロード可能に

「3・11」での過酷な災害対応をもとに国土交通省東北地方整備局がまとめた「東日本大震災の実体験に基づく、災害初動期指揮心得」がKindle版の電子書籍として世界中に発信される。通信販売サイトのAmazonの協力で9日から配信を開始。対象の各国において無料でダウンロード、閲覧できるようになる。国交省における「危機管理の教訓」が“生きた教材”として世界に広がることになりそうだ。

 災害初動期指揮心得は、東日本大震災の実体験に基づいてまとめられた災害時の行動指針。首都直下地震や東海・東南海・南海地震の発生が切迫する中、各地方整備局の指揮官にとっての行動規範となっている。
 危機管理に共通する心得や道路啓開の「くしの歯作戦」など当時の実体験を収録。「備えていたことしか役には立たなかった。備えていただけでは十分ではなかった」といった実体験からくる“リアルな心得”が国内外の危機管理に関する専門家からも高い評価を得ている。
 国際協力機構(JICA)によって英語版も作成されるなど、既に省内外で危機管理の研修教材としても使用され、2013年10月の伊豆大島土砂災害(東京都)、昨年8月の広島市土砂災害など、全国で発生する災害への国交省の対応に生かされているという。


建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【復興特別版】石巻のバージョンアップ目指す「ISHINOMAKI2.0」 理事・渡邊さんに聞く 震災を契機に地元の若手商店主らと首都圏の建築家やデザイナーなどで立ち上げた「ISHINOMAKI2.0」(宮城県石巻市、松村豪太代表理事)。同市中心部を震災前よりもバージョンアップさせるまちづくりを展開し、人口流出や少子高齢化という社会的課題の解決にも取り組んでいる。理事の1人で中核事業のひとつ「2.0不動産」の代表を務める渡邊享子さん(東工大大学院博士課程、日本学術振興会特別研究員)=写真=は、震災直後から住環境デザインとコミュニケーショ… Read More
  • 【土木作業体験】郡山中学校から3人が仙台湾南部海岸の災害復旧現場に 東北地整ら 東北地方整備局仙台河川国道事務所と宮城県建設業協会は11月28日、仙台市若林区荒浜で進められている仙台湾南部海岸の災害復旧現場で、中学生の職場体験学習参加者による土木作業体験を行った=写真。  中学生を対象とした建設現場の体験は、同整備局と東北建設業協会連合会が連携し、ことしから東北6県で展開している。その一環として、11月13日には宮城初の中学生現場体験が行われており、今回が2回目となる。 この日は、同事務所で職場体験学習を行っている仙台… Read More
  • 【復興支援】釜石市から四日市港湾事務所に届いた横断幕 白山小から香良洲小へ 中部地方整備局四日市港湾事務所が、津市立香良洲小学校の協力のもと行った東日本大震災の復興支援活動に対し、岩手県釜石市の野田武則市長からの礼状と、同市立白山小学校が「お礼の品」として作った横断幕が届けられた。11月27日には香良洲小で贈呈式を開催。白山小児童の感謝の気持ちが込められた横断幕が披露された。 白山小児童の感謝の気持ちが込められた横断幕 同事務所は、東北地方整備局が発注した釜石港湾口防波堤の復旧工事に使うハイブリッドケーソン… Read More
  • 【復“幸”支縁】両国回向院で気仙沼・地福寺の地蔵菩薩が「出開帳」 震災による津波で被災した宮城県気仙沼市の地福寺。片山秀光住職が、震災時に背負って守った本尊延命地蔵菩薩座像を、東京都墨田区の両国回向院で拝観できる「出開帳」が11月8日から24日まで開かれた。写真は会期中に披露された気仙沼郷土芸能の「明戸虎舞打ちばやし」。  出開帳とは、普段拝むことのできない他寺院の本尊などが来て、一定期間参拝できるようにする行事。江戸時代には回向院でたびたび開催され、特に1778(安永7)年の長野・善光寺出開帳では6… Read More
  • 【土木学会】空港ビルが孤立! その時どうする? 「修羅場」を教材に模擬授業 「こんな時、どのように行動しますか」--。土木学会建設マネジメント委員会の建設ケースメソッド普及小委員会(委員長・木下賢司プレストレスト・コンクリート建設業協会専務理事)は3日、仙台市青葉区のアエルでケースメソッドを活用した災害対応マネジメント力の育成に関する模擬授業を開いた=写真。東日本大震災の津波で約1700人が孤立状態となった仙台空港ターミナルビルの状況を疑似体験し、伊藤克彦同ビル社長の立場で避難者の安全確保対策などを考えるとともに、… Read More

0 コメント :

コメントを投稿