2015/09/27

【首都高速】見沼たんぼ首都高ビオトープで「かい掘り」 キツネもホオジロも住んでいます


 首都高速道路会社は、さいたま市見沼区の高速埼玉新都心線高架下に整備した「見沼たんぼ首都高ビオトープ」で初となる「かい掘り」を実施した=写真。土壌環境や水質の改善のため、池沼の水を抜いて天日干しするもので、東京環境工科専門学校の1年生ら約40人が参加。水を抜いた池沼では在来種保護のため、アメリカザリガニなどの外来水生動物を捕獲したほか、粗朶(そだ)を積み上げてカミキリムシなどの昆虫のすみかとなるエコスタックを設置した。

 同ビオトープは、自然共生型の都市高速道路を目指して同社が、首都近郊に残されていた貴重な緑地空間の生態系を再生するため整備したもので、長さ1.7㎞、面積6.3ha。道路北側には生態的回廊と景観対策を兼ねて、同地域の在来種33種、約2万1500本の樹林を植樹。高架下の池沼は現場の状況に合わせて形状・深さを決定した。給水や地下水のくみ上げは行わず、表層の地下水と雨水のみを水源としている。現在ではホンドキツネやホオジロ、タコノアシなど埼玉県レッドデータブック掲載の希少な動植物の生息も確認されているという。
 ビオトープは、普段は人が立ち入ることはできないが、首都高速道路東京西局の岡野孝司調査・環境課長は「幼稚園や小学校で教材になるのであれば、積極的に公開していきたい」と話している。
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