2014/11/05

【建築】国産木材の手触り、匂いも生かす 欅組「黒壁と出格子のある蔵のような家」

施主の育った埼玉県加須市の原風景となる、旧街道沿いに建ち並ぶ蔵をイメージした木造住宅「黒壁と出格子のある蔵のような家」(加須市)。地域特有の黒漆喰の蔵のプロポーションを取り入れ、6寸勾配の屋根と黒漆喰の壁を採用し、「原風景と未来の接点」となる家づくりを目指した。

 材木のほとんどは山形産の金山杉を使用し、見た目や手触り、匂いを大切にした。建物正面には、出格子と黒漆喰を施し、『蔵』のイメージを醸し出すとともに、内部は大黒柱を中心に、2階の天井を吹き抜けにし小屋裏を見せるなど、木の“あらわし”を感じられる空間にした。
 職人による日本の木の家づくりを目指す欅組(埼玉県越谷市、畔上順平代表)が設計施工を担当。木造住宅を越谷周辺で普及させるために企画した低価格のセミオーダープロジェクト「L-styles Labo」で提供した。
 本格的な木造住宅の設計施工をシステマチック化し、木材のプレカット化、図面や施工納まり、仕様材料などの標準化、設計施工一貫による管理体制のスマート化などでコスト縮減を実現。一方、顧客の要望をモデルプラン(3パターン)に反映させ、画一的ではない、愛着の持てる家づくりを可能にした。畔上代表は、経済的な設計・施工を進める中でも、「顧客が家を建てるにあたり、大切にしたいものを引き出すことが重要」と強調する。施主からも「木がふんだんに使われ、気持ちが満たされる」と高く評価されている。
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