2014/11/30

【現場の逸品】デザイン済みの「現場用」屋外専用ステッカー ヒサゴ

ラベルシールメーカーのヒサゴ(名古屋市)が屋外専用ステッカーシールの販売を始めた。東京営業課の安達真人=写真=さんは新商品『ピタロングステッカー』を手にとり、満面の笑みを浮かべながら「建設現場の方々に意見をうかがいたい」と呼び掛ける。足元注意や立入禁止など工事現場で要望の強いマーク全20アイテムを取りそろえた。

 そもそも屋外用シールのニーズは以前からあった。これまで同社は強粘着の糊(のり)を使う屋外用タイプのラベルシールを商品化していたが、付着する場所との相性もあり、この6月からはあらゆる条件に合うようにコンクリート壁面や結露面、油面対応など5種類の商品をラインアップした。実は、これがステッカータイプ開発のきっかけになった。
 ことし7月に東京・有明の東京ビッグサイトで開催された国内最大の文具・紙製品展「ISOT(イソット)」。出展した屋外用ラベルは反響を呼んだが、来場者からは「印字してあるタイプがほしい」という意見が飛び込んできた。安達さんが担当する営業先の量販店からも印字の要望があり、東北の営業担当には「スリップ注意」という具体的な顧客の声も挙がっていた。

そもそも無地のシールタイプは、購入者がプリンターなどで自ら印字する。屋外に貼るとなれば、それなりのデザインも必要になり、手間もかかる。「商品化してみよう」と、声を上げた安達さんが開発担当となり、2カ月という異例の早さでピタロングステッカーの販売にこぎ着けた。マークはJIS規格の案内用図記号を使い、デザインもより分かりやすくシンプルに仕上げた。
 工場では特殊糊の調合を繰り返してきた。6月に発売した屋外用シールタイプは5つの付着条件ごとに糊の特性を変えていたが、ステッカータイプではどんな条件下でも対応できるようにオールラウンドの配合を研究してきた。安達さんは「5つの条件を1つに合体させた進化版が完成した」と胸を張る。
  零下20度から高温の80度まで対応できる自信作のピタロングステッカーは、同社にとって「革新的な商品」と、営業部広報担当の森登紀和さんは強調する。「無地のラベルシールに何を印刷するかはユーザーが決める。屋外専用というコンセプトのはっきりしたステッカーの登場は新領域を開拓する意味でも社内の期待は大きい」
 既に第2弾のステッカーデザインの検討はスタートしている。安達さんはマーク付きの商品を手掛けたことで「建設現場の安全・安心に貢献できる機会を得られた。これは無地の商品では味わえない喜び。建設会社から要望があれば、ぜひ一緒に現場用ステッカーを手掛けたい」と考えている。
 問い合わせは同社インフォメーションセンター・電話052-936-1631。
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