2014/11/30

【技術裏表】膨らむ塩ビが管内部に密着! 老朽化マンションの横主管に非開削対応

積水化学工業がマンション共用排水管の更生技術「リノベライナー工法」を開発した。共用排水の立て主管下部から最初のマスまでの横主管部分に対応した技術で、楕円形の硬質塩化ビニル管を折りたたんで加熱しながら管内に挿入し、蒸気で円形復元させ、エアで管内部に密着させる。90度の曲部もしわなく更生できる優れものだ。

 分譲マンションのストックは約590万戸となり、このうち築30年以上は約140万戸に達する。これら老朽化マンションでは横主管の損傷が激しい案件が多く、表面被覆では補修が困難なケースも少なくない。開削が困難な現場もあり、近年は非開削で対応できる技術が強く求められていた。
 同社は、同工法を足がかりに既存マンション市場開拓に乗り出す。共用部全体の配管更新をワンストップで行うことで、2016年度までに売上げで75億円規模を目指している。
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