2014/11/09

【新日本空調】工学Cをリニューアル 顧客が技術や機器を実体験可能に

新日本空調は、開発してきた技術や機器を顧客が実体験できるよう、本社や技術開発研究所、工学センターをリニューアルした。このうち、横浜市磯子区にある工学センターでは、同社の最新技術の展示と実証を両立させ、保有技術の周知とさらなる改善に生かす。関連する設備や技術を展示スペースに並べることで、システムとしての活用も提案できるほか、実機の効果も直接顧客にアピールできる。また、顧客の要望も直接伝わることから、ニーズのより的確な把握につながり受注機会の拡大もにらむ。写真は1階のプレゼンルーム。

 工学センターのリニューアルは、ことし1月に着工し、9月末に完成した。同社が実機を顧客に体験してもらうようにしたのは初めて。夏井博史社長は「今回のリニューアルは、顧客に設備を体感してもらうのが一番の主眼」と、実際の技術を見てもらうことで効果をより周知したい考えを明かす。リニューアルに携わった●(●=十に栞)原哲首都圏事業本部リニューアル事業部設計部長は「これまで顧客に技術をPRするときは、紙による資料で説明するケースがほとんどで、実体を理解してもらいにくかった」と、開設に踏み切った狙いを説明する。
 技術や機器は、1階に設けたプレゼンルームや屋上、執務フロアなどで展示する。プレゼンルームに設置しているのは、空調機のダクトから洪水や津波による浸水を防ぐためのダンパー「ジャバッShut」や、室外機と室内機を一体型にした冷房ユニット「シャワークーラー」など約10項目。

Dライト
新技術も迅速に紹介できるようにする考えだ。微粒子やちりの種類を異なる色で識別できるようにし、工場の衛生管理に活用するツール「Dライト」もその1つで、10月末に発表されたばかり。ツールは種類を明確にするためのライトと、識別を確認しやすくするゴーグルがセットになっており、実際に装着できるほか、色合いの違いもモニターで確認できる。
 技術の組み合わせも提案できる。屋上には、空調設備で外気を取り込む際に雨水の侵入を防ぐルーバー「レインキャプチャー」や設備内の細菌発生を銀イオンで抑える「Ag-ion master」も取り付け、その活用方法も提案している。
 空調システムは、2、3階にある執務空間に設置し、効果を実証するとともに、それぞれの階に顧客も体感できるスペースを設けている。天井に放射効率の高いパネルを設置し、そこに冷気などを通す「空気式天井放射空調システム」と可変風量吹出口「CPCS-III」を組み合わせて室内の快適性を高める方法を提案しているほか、室内温度や相対湿度を変動させて体感温度を下げ、エネルギー消費を抑える空調制御技術「アクティブスウィング」も設置。階によって異なる設備を取り付け、それぞれ特徴や違いを把握できる。社内での実証結果だけでなく、外部の声やニーズも取り込むことで、技術改良に生かす考えだ。
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