2014/11/19

【油吸着材】40倍の吸着量! 100%天然繊維で焼却時も安心の「エコパッド」

建設用資材の販売などを手掛ける活充企画(千葉県四街道市)が開発した100%天然繊維の油吸着材「エコパッド」の利用が広がりをみせている。ダムや河川、港湾などでの油流出事故現場で活躍しているほか、工場、飲食店や食堂のグリストラップなど油脂が発生する場所であればどこでも使用できるなど用途は広い。今後も製品を改良し、コスト削減に努めるほか、特注品の製造にも応じる考えだ。

 エコパッドは、赤道直下の高山に分布する高木「カポック」の果実を覆う種子毛をパッド状にパッキングした油吸着材。
 その繊維は、ストローのような内径8マイクロmの筒状をしている。表面張力の大きい水はその中に入り込めず、油や有機溶剤、油性塗料などを選択的に取り込むことができる。
 自重に対する油の吸着量は、競合するポリプロピレン(PP)製の油吸着材が10倍ほどであるのに対し、エコパッドは40倍もの力を持つ。PP製品には1枚当たりの単価では劣るものの、吸収力では圧倒するため実質でみると必要な枚数は少なくて済むのが特長だ。
 さらにPP製の油吸着材と違い、焼却時にダイオキシンなどの有毒ガスが発生しないほか、果実のみを使い森林伐採を伴わないため環境にやさしい。油を吸収した後も液だれしないため、回収後も容易に管理できるのも強みとなっている。
 製品は、50cm四方のパッドタイプを中心に、ロールタイプ、万国旗タイプ、ソックスタイプなどをそろえる。
 これまでにダムや河川、港湾などを管理する国の出先事務所への納入で実績を積み、都道府県や市町村の出先事務所、さらには整備工場や石油会社、電力会社など民間市場への開拓に取り組んでいる。
 2006年度には国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)、13年度には千葉県内の企業が開発した新技術・工法「ちば千産技術」に登録された。
 また、高圧のトランスやコンデンサーにかつて使われた、有害なPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む絶縁油の廃棄物を処理会社の日本環境安全事業(JESCO)に持ち込むには、植物性セルロース100%の吸収剤を使わなければならない。さらに同廃棄物は、法律で16年7月までに処理することが義務付けられているため、PCB用に改良したエコパッドも用意。現在、営業展開に力を入れている。
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 活充企画 千葉県四街道市千代田1-16-4。電話043-423-0881。
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