2014/11/21

【土木】土木学会が100周年を記念して国際フォーラム

土木学会(磯部雅彦会長)は20日、100周年記念事業の一環で、「国際フォーラム“社会インフラの豊かな生活への貢献"」を東京・丸の内のJPタワーホール&カンファレンスで開いた。アジア、米国、欧州の11カ国の土木関係学会が出席し、豊かな社会を実現するために土木工学が果たすべき役割や国際協力について討議した。

 磯部会長は冒頭、『日本土木の100年と、災害防止について』をテーマに講演し、学会創設から現在までの100年の歩みと土木界が果たした役割を振り返った上で、「持続可能な社会システムの確立という目標に向けた道筋を、土木技術者が答えを出さなければならない。持続可能な社会をアジアの価値観にあわせてつくり、技術者への尊敬の念を醸成し、持続的経済成長をアジアにもたらさなければならない。多様な課題の中であらゆる境界を越えて、持続可能な社会の土台を築く必要がある」と語った。
 国土交通省の徳山日出男技監が『豊かな社会へ貢献する新たな社会インフラの整備のための日本の挑戦』をテーマに講演。「災害列島に住むハンデをハードとソフトで克服してきた。さらなる豊かさを求める中で、次のチャレンジを考える」とし、首都圏3環状道路の完成にあわせ、道路混雑情報の提供などによる交通量の誘導など「道路を有効に、エネルギー効率が良く、事故が少ない交通を実現したい」と話した。最後に「日本は災害列島という宿命を負っており、安全確保がこれまでの基礎分野だった。今後、さらにハードとソフトで安全性を向上する。これからは持続可能という目標の下で豊かさを積み上げる。これまでは極大化100年、これからは最適化の100年になる」と提起した。
 このほか米国、中国、フィリピン、韓国、インドネシア、オーストラリアなどの関係機関による講演があり、19日の「防災に関する国際円卓会議」とあわせて、記念国際シンポジウムを総括した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

Related Posts:

  • 【貫通式】延長903mの蘭島トンネル貫通! 後志と札幌圏の交流に期待  東日本高速道路北海道支社が北海道横断自動車道小樽~余市間で建設を進めてきた蘭島トンネルが貫通し、8月31日に現地で待望の貫通式が開かれた。蘭島トンネルの貫通により全7本のトンネルのうち5本が貫通したことになる。工事延長は2190mで、蘭島トンネルの延長は903m。施工は鴻池組が担当している。工期は2017年2月21日まで。  式典では、貫通発破に続き、地元の忍路中央小学校の生徒ら23人によるくす玉開披が行われ、貫通を祝った。 貫通握手の… Read More
  • 【ダム博物館】ついに誕生!! ウェブサイトの本館10/3、うららぴあに分館10/29オープン  10月、ユニークな「ダム博物館」がわが国に誕生する。  バーチャルなポータルサイトとしての本館と、実際の現地のダム情報館などを分館とする機能分けをしている。ウェブサイトの本館が10月3日から公開を開始し、水資源機構浦山ダム防災資料館「うららぴあ」=写真=の建物の一部を借りる博物館・写真館が、分館第1号として同29日にオープンする。  日本ダム協会が、土木写真家の西山芳一氏を委員長に計14人で構成するダム博物館設立アドバイザー委員会を設… Read More
  • 【地盤特集2016】地形・地盤は安定を求めて絶えず動く 地盤・水循環・森林保全で対策を 【東京大学生産技術研究所教授 沖大幹氏に聞く】■地球上の水量は不変 地球上の水量は不変で絶えず地球規模で循環しています。地球表層の水の重さは地球全体の5000分の1とされています。その量は約14億km3mで、そのうち2.5%が淡水とされています。利根川など長大な河川でも地表水は3、4日、短い川だと半日で海に流れ着いてしまいます。1カ月雨が降っていないのに川に水があるのは山や森林が雨や雪を蓄え少しずつ地下水を補給(涵養)することで、地下から絶… Read More
  • 【建設業振興基金】受講者募集! 重機オペレーター養成15人@名寄市、旅費・宿泊費無料!  建設業振興基金では、国から委託を受けた「建設労働者緊急育成支援事業」のうち、10月4日から名寄市内の上川北部地域人材開発センターで実施する「重機オペレーターコース」の受講対象者を募集している。定員は15人。  今回は、普通自動車運転免許所持者を対象に、大型特殊免許と車輌系建設機械運転技能講習などの技能資格をセットで取得し、建設現場オペレーターを養成する。期間は10月4日から27日まで。ローラー運転特別教育や刈り払い機取り扱い安全衛生教育… Read More
  • 【鬼怒川緊急対策】国内初のハード・ソフト一体激甚災害対策特別緊急事業の現場を公開  2015年9月の関東・東北豪雨災害から10日で1年を迎えるのを前に、関東地方整備局下館河川事務所は、鬼怒川緊急対策プロジェクトの現場を報道陣に公開した。総事業費約600億円を投じ、20年度の完成を目指す国内で初めてハード・ソフト一体で進む激甚災害対策特別緊急事業として注目される。写真は堤防が新設された若宮戸地区  今回の豪雨被害は線状降水帯と呼ばれる積乱雲で、長時間強い雨が降り続き、鬼怒川流域各地で観測開始以来最多の雨量を記録。7カ所… Read More

0 コメント :

コメントを投稿