同構法は、RC造の柱に、S造の梁で両端にRCを巻いて補強したハイブリッド梁を組み合わせたもの。「両端部のRC部はプレキャストコンクリート造または現場打ちが可能など、施工性に優れている」(嶋雄一郎建築工事部建設工事作業所所長)ことが特徴。またS造よりも鉄骨の量と加工を少なくすることができ、総工費の削減にもつながる。実際、今回の現場で同構法の組み立てを行った際は「鉄骨の梁を現場に持ち込み、床に置いた状態で鉄筋工事を行った。そうすることで、足場を組んで鉄筋工事を行う作業がなくなり、安全面も確保できる」(同)と施工時のメリットを語る。
柱とつなげる大梁のうち、スパンの長い梁にハイブリッド梁を、スパンの短い梁にRC造梁というように、異なる構造の梁を組み合わせた構造計画が可能。同社が物流施設や工場に採用している柱をRC造、梁をS造としたハイブリッド構造「FSRPC-B構法」との同一フロアでの混用も可能となっている。
S梁の両端を集中補強筋で巻く |
同施設の屋上には地形を生かした斜めの屋根スラブを使用。バスロータリーから総合教育棟、スチューデントセンターにつながるスロープ状の通路として活用される。FRASH構法では梁の両端をRCで巻くことで剛性を強化しているため、S造に比べて床の振動を低減する効果も見込んでいる。
北側には、実習スペースを取り囲むようにCAD・CAM室や計測室などの部屋を配置。南側は採光に配慮し、ガラス張りとなっている。
また基本設計から実施設計の段階でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用。現在は施工段階で3次元モデルを活用した施工図、総合図の作成に取り組んでいるという。
同施設の規模は、RC一部S造地下1階建て1159㎡。2015年2月下旬に竣工し、同4月からの授業で使用される。
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