富士通がIoT(モノのインターネット)ビジネスを加速させる。自らのセンシング技術を生かし、状況の変化を検知できるシステムを構築、センサーモジュールを組み込んだ機器を設置・装着することで変化を感知させている。建設業向けには、センサーを組み込んだリストバンドを開発した。作業員の運動量や周辺の温度などを監視でき、熱中症予防や転倒・転落の検知といった安全管理や危険予測などにつなげられる。データを蓄積することで普段の状況との違いを察知することもでき、高齢者支援のための設備など多様な分野に展開させる。
開発したリストバンド「バイタルセンシングバンド」は、リストバンドに装着したセンサーで計測した温度や湿度、運動量、パルス数などの情報から、装着者の熱に関するストレス要因を推定する。建設現場では熱中症対策への取り組みがここ数年重要視されており、その判定に生かせると期待を寄せている。センサーの計測から、装着者が休憩を取ったかを判断することもでき、周辺環境に関する情報と加味して健康状態をチェックできる。熱中症も未然に防げ、作業員の安全管理が容易になる。
さらに、短時間での気圧や加速度の変化も感じ取り、それにより装着者の転落や転倒をいち早く認識できる機能も持つ。事故があっても素早い対応に生かせる。
サービスは12月から提供する予定だ。今夏には、富士通ネットワークソリューションズが施工するネットワーク関連工事の現場作業者に装着してもらい、熱ストレスの検知などの実証実験に入る。実際の現場で活用してさらなる改善や安全性の向上に生かしていく。
同社が注力しているのは、人や物の状態や周囲の環境の変化をセンシングし、それを解析・分析したデータとして提供できるIoTのパッケージサービスだ。センサーで検知したデータを解析する機能と無線通信機能を組み合わせたモジュールをつくるとともに、クラウドに蓄積したデータから学習していくシステムをセットにしている。センシングしたデータを同社独自のアルゴリズムで分析することで、日常とは違う動きを異常として検知できるようにデータを加工し、それを機器に組み込むことでユーザーに提供する。
リストバンドはその1つだが、仕組みは健康・福祉や農業、自動車、金融、インフラなどさまざまな場面で活用していく方針。例えば健康・福祉分野では、人の声や寝息、せきといった生活音をセンサーで収集・分析できるようにし、クラウドに蓄積したデータから日常の生活リズムに異常が生じれば外部に伝える装置「遠隔見守りステーション」も開発している。ICT(情報通信技術)とともに設備を福祉施設や高齢者住宅に配備すれば、介護支援の高度化にも寄与するとみられる。
同社がこうした展開に乗り出した背景には、センシングデータの活用できる分野が幅広いにもかかわらず、その運用にはデータの取り扱いが難しいという課題がある。齋藤邦彰執行役員常務ユビキタスプロダクトビジネスグループ長は「IoT活用の機運は高まっているが、顧客が導入するには大きく3つの課題がある。まず、センサーで得られるデータは膨大で、そのままでは取り扱いが困難な点だ。また、システムを構築するに当たりあらゆる業種が絡み、設計の共通化が難しい。さらにはデータを運用する上でのセキュリティーも課題」と説明する。そこで「生のセンサーデータを提供するのでなく、顧客がすぐ活用できるように直して提供できるようにした」という。データの蓄積は同社のクラウドを活用できるようにするなど、顧客にあわせたサービス展開も図る。
齋藤執行役員常務は「インターネットにつながるモノデータは、2020年には500億個に上る。人やモノの情報がネットワークにつながることで新たな価値が生まれる」として、幅広い顧客に訴求していく考えだ。
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開発したリストバンド「バイタルセンシングバンド」は、リストバンドに装着したセンサーで計測した温度や湿度、運動量、パルス数などの情報から、装着者の熱に関するストレス要因を推定する。建設現場では熱中症対策への取り組みがここ数年重要視されており、その判定に生かせると期待を寄せている。センサーの計測から、装着者が休憩を取ったかを判断することもでき、周辺環境に関する情報と加味して健康状態をチェックできる。熱中症も未然に防げ、作業員の安全管理が容易になる。
さらに、短時間での気圧や加速度の変化も感じ取り、それにより装着者の転落や転倒をいち早く認識できる機能も持つ。事故があっても素早い対応に生かせる。
サービスは12月から提供する予定だ。今夏には、富士通ネットワークソリューションズが施工するネットワーク関連工事の現場作業者に装着してもらい、熱ストレスの検知などの実証実験に入る。実際の現場で活用してさらなる改善や安全性の向上に生かしていく。
同社が注力しているのは、人や物の状態や周囲の環境の変化をセンシングし、それを解析・分析したデータとして提供できるIoTのパッケージサービスだ。センサーで検知したデータを解析する機能と無線通信機能を組み合わせたモジュールをつくるとともに、クラウドに蓄積したデータから学習していくシステムをセットにしている。センシングしたデータを同社独自のアルゴリズムで分析することで、日常とは違う動きを異常として検知できるようにデータを加工し、それを機器に組み込むことでユーザーに提供する。
リストバンドはその1つだが、仕組みは健康・福祉や農業、自動車、金融、インフラなどさまざまな場面で活用していく方針。例えば健康・福祉分野では、人の声や寝息、せきといった生活音をセンサーで収集・分析できるようにし、クラウドに蓄積したデータから日常の生活リズムに異常が生じれば外部に伝える装置「遠隔見守りステーション」も開発している。ICT(情報通信技術)とともに設備を福祉施設や高齢者住宅に配備すれば、介護支援の高度化にも寄与するとみられる。
同社がこうした展開に乗り出した背景には、センシングデータの活用できる分野が幅広いにもかかわらず、その運用にはデータの取り扱いが難しいという課題がある。齋藤邦彰執行役員常務ユビキタスプロダクトビジネスグループ長は「IoT活用の機運は高まっているが、顧客が導入するには大きく3つの課題がある。まず、センサーで得られるデータは膨大で、そのままでは取り扱いが困難な点だ。また、システムを構築するに当たりあらゆる業種が絡み、設計の共通化が難しい。さらにはデータを運用する上でのセキュリティーも課題」と説明する。そこで「生のセンサーデータを提供するのでなく、顧客がすぐ活用できるように直して提供できるようにした」という。データの蓄積は同社のクラウドを活用できるようにするなど、顧客にあわせたサービス展開も図る。
齋藤執行役員常務は「インターネットにつながるモノデータは、2020年には500億個に上る。人やモノの情報がネットワークにつながることで新たな価値が生まれる」として、幅広い顧客に訴求していく考えだ。
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