新日本製鉄は、米国グアム島内海軍軍港の港湾埠頭改修工事で、ハット形鋼矢板とH形鋼約8000tを受注・納入した。同工事では、ハット形鋼矢板とH形鋼を組み合わせた高耐力構造の「新日鉄ハット形鋼矢板+H形鋼工法」を港湾工事で初採用し、打設は6月内にも終了する。
同工事の施工は、米国ヒーリー・ティビッツ・ビルダーズ社・ワッツ・コンストラクターズ社・大林組JVが担当。新日鉄は、欧州の設計規格に基づく当初の構造案に対し、岸壁構造の主要部材として「新日鉄ハット形鋼矢板+H形鋼工法」を提案した。
その結果、ハット形鋼矢板とH形鋼を溶接するのみの部材なため、施工現場近くのヤードで簡単に一体化でき、コスト・工期の最適化が可能なことや、筒型形状となっている従来の大断面鋼矢板に比べて打設時の抵抗が少なく、迅速な施工ができ、ウオータージェットなどの補助工法も不要で土壌・水質汚濁の懸念がないことなどが評価され、今回の採用に至った。施工時間は、現場の環境によるが、従来の矢板に比べて2割以上短縮するという。
「新日鉄ハット形鋼矢板+H形鋼工法」が米国の建設工事に採用されたのは今回が初めてで、フィリピン共和国円借款案件のパシグ・マルキナ川河川改修事業での採用に次ぐ、大型受注となる。
新日鉄は、今後もアジア・オセアニアの新興国を中心に、米国など海外建設市場でも幅広く提案活動を行っていく。
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