2012/06/19

アンジェロ・マンジャロッティの展覧会がイタリア文化会館で始まる


プレイベントでは、アンナ・マンジャロッティが哲学と創造性を語った

 建築を始め、彫刻や家具など幅広いデザイン活動を展開しているイタリアの建築家アンジェロ・マンジャロッティ氏の展覧会が、東京都千代田区のイタリア文化会館で開かれている。マンジャロッティ氏の事務所には、1960年代から現在に至るまで多くの日本人クリエイターが在籍しており、日本の美意識と深くつながっていることが分かる。

 展覧会「アンジェロ・マンジャロッティの哲学とデザイン-マエストロと日本人スタッフとの協働の記録」は、パネルやスケッチ、実際の作品を通じて、日本人の心を引き付ける氏の感性に触れることができる。根底にあるのは見栄えだけの美しさではなく、細部にまで込められたものづくりの魂と、自由な発想にあるといえる。
 展覧会のプレイベントとして開かれた講演会は、氏の娘で建築家のアンナ・マンジャロッティ氏が「哲学と創造性」について語った。アンナ氏は「建築は文化と技術の集合体であり、文化的背景と設計者の思い入れを同時に表現したもの」とし、建築における文化の重要性を強調した。
 座談会では、マンジャロッティ氏の事務所で働いた経験を持つ川上元美、濱口オサミ、河合俊和の各氏が「ジョイント」や「プレハブ」など、氏の作品の特徴をテーマに思い出や哲学について語った=写真。川上氏は「マンジャロッティ氏は、京都の町家を見て『私がやろうとしている理想はここにある』と評価していた」と、モジュールが群をなしながら、1つひとつ異なる建築物ができあがることに共感したことを紹介した。
 会期は30日まで。主催はイタリア文化会館、アンジェロ・マンジャロッティ事務所、アンジェロ・マンジャロッティ・アソシエイツ。入場無料。

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