2012/06/12

kw+hgアーキテクツに最優秀 岐阜県岐南町の新庁舎設計

現在の市庁舎(最優秀案は未公開)
 岐阜県岐南町は9日、新庁舎等の公募型設計競技(コンペ)の最終公開審査を行い、kw+hgアーキテクツ(東京都杉並区)を最優秀賞に決定した。7月中下旬に契約する。コンペは日本建築家協会(JIA)本部が支援。当日の図書審査・評価では、西沢立衛横浜国大大学院Y-GSA教授、松隈洋京都工芸繊維大教授、室伏次郎神奈川大名誉教授の選定委員3人による投票が行われ、3者が同点得票だったが、最終選考の結果、kw+hgアーキテクツ(川原田康子・比嘉武彦代表)が選ばれた。次点はみかんぐみ(横浜市)だった。

 最優秀賞のコンセプトは「街につながり人につながる庁舎」で、地域社会をつくる新しいインフラストラクチャーとして、新庁舎・新中央公民館・保健相談センターの機能的・空間的な融合を図る複合公共施設を提案した。
 シンプルな5層の庁舎棟を中心に、その回りをゆるやかな曲面ルーフの低層部が取り巻く構成で、低層部には公民館スペース、保健相談センターと共通ロビーを収容する。
 新庁舎を多様な人々が集まり住環境の問題解決や自らのルールづくりを進める「フューチャーセンター」とし、ゆるやかなカーブを持つ低層ルーフが講堂、中央公民館、保健相談センターを結ぶ動線を包むように3方向に伸びる。
 ルーフの下は屋外と半屋外が混在する自由度のある空間で、風が通り抜け、陽光が差し込む自然を感じながら、訪れた人々が気軽に会話を交わせる開放性と流動性、延伸性をダイナミックに演出していく。
 委託業務は、庁舎棟、中央公民館と学習等供用施設の複合施設となる中央公民館棟、保健相談センター棟などからなる複合施設の基本・実施設計。規模は延べ約7200㎡を想定している。建設地は八剣7-105ほかの敷地8277㎡。業務委託費の限度額は8373万7000円(税込み)。基本設計期間は9月末まで、実施設計期間は2013年3月15日まで。
 順調に進めば13年6月に着工する。建築工事費は21億6000万円を上限とする。庁舎棟は14年12月の完成、15年1月の開庁を予定している。中央公民館棟、保健相談センター棟は同年3月の完成、4月の供用開始を目指す。

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