2012/06/13

優秀賞に伊根町庁舎など3件 近畿地区の公共建築賞

伊根町庁舎・コミュニティセンター
 公共建築協会近畿地区事務局は11日、第13回公共建築賞優秀賞を発表した。近畿地区からは『伊根町庁舎・コミュニティセンター』(京都府伊根町)、『三木総合防災公園屋内テニス場ブルボンビーンズドーム』(兵庫県三木市)、『養父市大屋市民センター・大屋地域局』(同県養父市大屋町)の3件を選定した。22日に伝達式を開く。

 公共建築賞は、優れた公共建築を表彰することで、公共建築の総合的な水準を向上させることを目的に、1988年から隔年で実施している。評価基準は、設計・施工が優れた公共建築であるほか、地域社会への貢献や、施設の管理保全なども評価している。
 近畿地区では、6点の応募があり、近畿地区審査委員会(委員長・小島孜アキコラボ小島研究室主宰)が3点を選定した。
 伊根町庁舎は、エントランス広場を海に見立て、舟屋をモチーフに取り入れた分棟形式を採用。防災機能や長寿命化、平面計画のフレキシビリティーなどの課題をグリッド型プランの採用と接着剤充填接合金物による国産材の複合断面化で解決した。公共建築の木材活用の積極的な事例として高く評価された。

三木総合防災公園屋内テニス場ブルボンビーンズドーム
 ブルボンビーンズドームは、スポーツ施設という日常的機能と、災害時の緊急活動拠点という非日常機能を組み合わせた施設。配置計画で、造成地による構造的安定性確保と、バックヤードの活動空地確保という要求を非対象の平面形状を選択することで具現化し、防災公園全体の環境に調和していることが高い評価につながった。
養父市大屋市民センター・大屋地域局
 養父市大屋市民センターは、町村合併による行政サービスの低下をカバーする地域密着型複合施設。自然環境と調和し、地元の素材やデザイン要素を取り入れたことで、生活の記憶を伝える建築になっている。地域に合った素材の選択と景観に配慮したデザインが地域の景観形成のモデルになり得ていることも評価された。
 受賞作品の概要は、次のとおり(①事業者②設計者③施工者)。
 ▽伊根町庁舎・コミュニティセンター=①京都府伊根町②浦辺設計③大林組・金下建設JV。
 ▽三木総合防災公園屋内テニス場ブルボンビーンズドーム=①兵庫県②遠藤秀平建築研究所③鹿島・安藤建設・アイサワ工業・丸正建設・平尾工務店JV。
 ▽養父市大屋市民センター・大屋地域局=①兵庫県養父市②日本設計③福井建設・安井工務店JV。

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