製作しているケーソンは、津波の影響で先端部分が21度傾いた仙台塩釜港仙台港区のC防波堤復旧工事に使う。大きさは幅18m、長さ15m、高さ19・5mで、総重量は4000tの規模。北海道の室蘭港から曳航したケーソン製作用FD「つくし7000」の上で、3月から建設を始めた。
鉄筋組立と型枠組立、コンクリート打設を8回繰り返し、19・5mの高さまで打ち上げる。すでに最上部の作業に着手しており、コンクリートが所定強度に達すれば完成だ。総鉄筋量は約190t、総生コン量は約1700m3を見込んでいる。
工事を担当している吉江真一作業所長(みらい建設工業)は「資材を運ぶ車両や作業員の手配に多少苦労しているが、早目に予約するなどの工夫で対応している。最後まで無事故で良いものを完成させたい」と話す。
完成したケーソンは、据付工事を担当する、あおみ建設に引き渡す。ケーソンをFDに搭載したまま据付位置付近まで曳航・進水し、ケーソン内に海水を注入して海中に沈める。その後、ケーソン内部に中詰砂を投入して安定性を向上させた上で、ケーソン基部にはコンクリート製のブロックを据え付けて波浪による洗掘を防ぎ、最後に上部工を施す。
事業を進める東北地方整備局塩釜港湾・空港整備事務所によると、7月16日に塩釜港で『塩竃みなと祭』が開かれるため、同10日には出港する予定という。
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