2012/06/27

日本でのBIM普及は? オートデスク ロブ・マルキンさんに聞く


欧米を中心にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及が進む中で「日本は世界の中でも2、3番目に大きな市場」と強調するのは、オートデスクのアジアパシフィックセールスディレクターを務めるロブ・マルキン氏。月の約半分を日本で過ごす。

 「日本はまだ3次元モデリングを模索している段階。建築生産にBIMをどう使えば、何をもたらすかを考えている。まだ緒に就いたばかりだが、潜在需要は大きい」と手応えを口にする。建築系で提供するBIMソフト『Revit Architecture』の販売も好調に推移。特に最近は施主サイドがBIMを意識し、設計者や施工者に導入を求めるケースも追い風になっている。
 リーマンショック以降の企業経営は、設備投資に慎重になっている。「そのシビアな意識が実はBIMの必要性を後押ししている。エネルギー対策の側面もあり、事前にメンテナンスまでのトータルコストを把握する手段としても有効。FM(ファシリティー・マネジメント)の領域にまで活用の幅は広がっている」
 5年後には「BIMは施主にとっても欠かせないツールになる」との期待を強く持つ。民間企業の海外生産移転や、政府レベルのインフラ事業でも、詳細な事業シミュレーションやコスト算出は「競争に勝つ手段」だけに「BIMの役割は大きい」からだ。

『Mastering Autodesk Revit Architecture 2013』 AmazonLink

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