2012/06/08

記者座談会・国土交通大臣が交代 羽田新大臣ってどんな人?

握手を交わす羽田新大臣と前田前大臣
A 国土交通相に羽田雄一郎参議院議員が就いたね。
B まずは「若い」という印象だ。前田武志前国交相が70歳を超えていたから、その差を強く感じる。
C 前田前国交相は、押し出しは強くなかったけど、重厚な人柄で党内でも一目置かれていた。大型公共事業の再開・実施という難しい問題も正攻法でこなしたという感じだった。羽田国交相は若い分、公共事業の舵(かじ)取りをどうしていくのか、注視したい。

A 超党派の公共調達適正化研究会のメンバーであり、就任会見では自民党が掲げている「国土強靱化」を進める考えを示すなど、社会資本整備や公共事業に一定程度理解があるようだね。
B 確かに省内でも、「話を聞いて受け入れてくれる」との声もある。若さにありがちなパフォーマンス的な言動も少ない。行政側を強く批判することもなく、人柄の良さに好感を持った職員は多い。でも、慎重な物言いが目立ち、就任当初の会見で言ったことをその後も繰り返すなど、なかなか自分の色を出せないようだ。
C 政治状況が流動的だけに短命大臣と見られる不運がある。ならばもっと思い切ったパフォーマンスをすればいいのに。
D 慎重で丁寧な印象を受ける。一方で、これから2013年度予算概算要求や出先機関の問題など、前面に立って各省、党内外などに対して、必要なものは必要、できないことはできない、と言わなければならない場面が出てくる。そうした時の対応に一抹の不安を覚えると見る向きもある。
B 社会資本整備や公共事業に理解を示すのは良いけど、きちんと予算などで結果を出さなければ、結局、「甘い言葉をささやくだけ」と思われかねない。そこはぜひとも頑張ってほしいね。

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