五洋建設は、これまで建造を進めていた国内最大級の多目的自航式起重機船「CP-5001」を完成させ、15日に横浜市の横浜港大さん橋国際客船ターミナルで完成披露式典を開いた。500tクラスのクレーンを備え、浚渫や砕岩、魚礁沈設など多様なニーズに応える。最新の自動操縦装置によって高精度で作業を行うことができるのも大きな特徴だ。自航できるメリットを生かして近く、離島プロジェクトなどに投入する見通し。
横浜の大さん橋に停泊するCP-5001 |
操船装置は、スクリューの角度を変えることができる全旋回式可変ピッチプロペラ推進機、ポンプジェット式の「バウスラスタ」をそれぞれ2基ずつ搭載し、それらをコンピューター制御する。ジョイスティックシステムによる操船や、船の位置と方向を自動的に保持する自動定点保持機能によって、アンカーが届かない大水深域でも定位置で作業を行うことが可能だ。高精度GPS(全地球測位システム)による多目的施工管理システムも備え、施工品質の向上が期待できる。
このほか、高速衛生通信を利用した海洋ブロードバンドを導入したことで、これまで難しかったテレビ会議システムも可能となった。合計14のカメラを使って遠隔監視することもできる。
同日、船内見学会の後に開かれた完成披露宴で村重芳雄社長は「国内では、これほど大型かつ自航式の起重機船建造は、初の試みとなる。海洋土木分野のプロフェッショナルとして、社会からのさまざまな要請に応え、今後とも我が国の発展に寄与していきたい」とあいさつした。
CP-5001は今後、東京都の離島部で稼働開始する見通しだ。
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