宮城県庁で開かれた震災関係職員確保連絡会議の初会合では、 被災自治体から土木や建築の専門職への応募が少なく苦慮している といった悩みが吐露された |
東日本大震災からの復旧・復興に向けた動きが本格化しつつある中、被災自治体では事務量の増大に伴い広範な職種にわたって職員不足に陥ることが強く懸念されている。
宮城県が津波被害を受けた沿岸15市町に対して実施したアンケート(6月1日現在)の結果によると、全体では必要人数963人に対し、充足できたのは51・3%の494人にとどまり、469人の不足が生じている。
特に深刻なのが区画整理と集団移転のまちづくり2事業における職員不足だ。11市町で必要とする人数の合計が260人に対して充足できたのは名取市の5人だけで充足率はわずか1・9%。甚大な被害を受けた石巻市(必要人数135人)、気仙沼市(32人)、東松島市(20人)など軒並み人員の手当がついていない状況にある。まちづくり2事業以外でも土木、建築など技術系の職員不足が顕在化している。
こうした状況に対応するため、同県では「市町村震災関係職員確保連絡会議」を設置。14日に初会合を開き、復興関連職員の不足数の的確な把握と情報の共有を図りながら、職員確保に向けたアクションプランに取り組むことを確認した。
市町の自助努力による職員の採用や他地方公共団体への職員の派遣要請などを県が支援するとともに、職員の必要数を削減するための外部委託や業務の簡素化といった取り組みも進めていく。
◇地方公務員の派遣は8万人に
今回の震災津波では、行政機能が著しく低下した自治体も多い。総務省がまとめた被災地方公共団体への地方公務員の派遣状況によると、2011年3月11日から12年3月31日までに宮城、岩手、福島の被災3県に派遣された累積人数は7万9623人(消防・警察を除く)に達するが、1日も早い復旧・復興へ今後も継続的な人的支援が求められている。
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