フォーラムでは、シンボルロゴを描いた南部さんの表彰式も行った |
女性土木エンジニアが中心になり活動してきた土木技術者女性の会(会長・桑野玲子東大准教授)は22日、東京都目黒区の東大駒場リサーチキャンパスで創立30周年記念「どぼく未来フォーラム」を開いた。
浅川智恵子日本アイ・ビー・エムIBMフェローが基調講演。自ら開発した音声WEBブラウザーなどを紹介しながら、障害者が情報技術へアクセスすることでアクセシビリティーが拡大している、とした。その後、桑野会長を司会に浅川氏、山本卓朗土木学会第99代会長(前会長、鉄建顧問)、木村亮京大教授によるパネルディスカッションが行われた。
山本前会長は、土木は社会資本整備を通じて経済発展に貢献してきたが、バブル経済以降、功罪が顕在化し、2000年以降から市民意識の変化により、土木界と市民との間にズレが生じている、と問題点を提起した。
特に東日本大震災以降、科学技術の信頼性が揺らぐ中で、「わたしたち技術者は社会安全システムの再構築を強く進めるべき」とした。社会安全には、市民、設計者、事業者の3視点からアプローチし、精神的豊かさを求めることを提案した。また、日本の土木プロジェクトの未来については「建設からメンテナンスではなく、その間に改良がある。その時代に合わせてインフラは変化し、その改良が出てくることに対応すべきで、国内がダメならすぐ海外ということではない。土木技術の持つ総合性は、その変化に対応できるもので、知恵を広げることで未来を開いてほしい」と会場の参加者に呼び掛けた。
木村教授は、世界13カ国で進めているNPO道普請人の活動を紹介し、機械に頼らず住民が自らの手で土のうによる道路改良をすることで、当該国住民の内発力やコミュニティーを形成していることをユーモア交えて提起した。今は3800万円の事業費を持つNPOになっているが、3年後には2億円に拡充するとした。
当日は、公募したシンボルロゴの最優秀作品(南部真有香さん)の発表・表彰、どぼく未来宣言の採択なども行った。同会は6月現在で会員175人。
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