2012/10/10

「建築新人戦2012」 最優秀新人賞に早大の田代さん

『ある時間、ある風景』
「建築新人戦2012」(実行委員長・中村勇大京都造形芸術大教授)の公開審査会が6日、大阪市北区の梅田スカイビル・ステラホールで行われた。総合資格などが特別協賛した。4回目となる今回は570点もの応募作品が提出され、公開審査会では予選を経た100作品の中から選出された8作品についてプレゼンテーションや議論が繰り広げられ、田代晶子さん(早大3年)の『ある時間、ある風景』が最優秀新人賞に輝いた。優秀新人賞には、岡田翔太郎さん(九大3年)の『人をのみこむ10戸のアーチ』、佐々木良介さん(京大3年)の『やきもの工房-forest stand』、横田麻由さん(東北大3年)の『SEKITEI』の3作品が選ばれた。


受賞者で記念撮影
当日は審査委員長を遠藤秀平神戸大教授、審査員を五十嵐太郎東北大大学院教授、キドサキ ナギサ神戸大客員教授、手塚貴晴東京都市大教授、長坂大京都工芸繊維大教授が務め、8作品について審議。賛否両論のさまざまな意見が出された。5人の票が割れる大接戦の中、4作品、2作品と絞り込まれていき、最後も3対2の僅差で最優秀新人賞が決まった。
 表彰式では、最優秀新人賞の田代さんに中村実行委員長が賞状を手渡したほか、上位入賞者に各審査委員が授与。総合資格を始め、特別協賛各社からも豪華な副賞が贈られた。
 審査後の総評で遠藤審査委員長は「この大会は年々レベルアップしている。建築は価値観の具体化であり、皆さんは自分の価値観をしっかりつくってほしい。また、上位入賞者はそれに安住することなく、さらに伸びてもらいたい」と述べた。
 また、審査会に先立って海外招待作品のプレゼンテーションも行われ、中国、韓国、ベトナムの学生が通訳を介して作品のコンセプトなどを説明した。
 建築新人戦は、卒業設計を迎える大学、専門学校の3年までの建築系学生らが各学校で取り組んだ設計課題作品を対象とする。09年に関西を中心に初開催し、翌10年から全国に対象を拡大。今回は応募資格枠を広げるとともに、11月に韓国で開催されるアジア大会の出場権もかけた戦いとなった。
 アジア大会には、上位4作品のほか、中川寛之さん(神戸大3年)の『詩的世界-田村隆一をたどる-』も出展することが決まった。
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 優秀新人賞に輝いた田代晶子さんの話 「16選にも選ばれると思っていなかったので驚いている。山や煙突など、自分の心にある原風景をもとに小学校を設計したが、イメージを建築に落とし込むのに苦労した。思いを込めたドローイングを審査で褒めてもらえたのがうれしかった」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月10日9面

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