2012/10/25

【建築】JIA東北建築学生賞 最優秀に仙台高専の熊谷さん!

日本建築家協会東北支部(JIA東北、渡邉宏支部長)は19日、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで第16回東北建築学生賞の公開審査を開いた。応募があった13校34作品の中から、熊谷雄さん(仙台高専5年)の『記憶の丘』が最優秀に選ばれた。優秀賞は瀬野尾真里子さん(東北文化学園大3年)の「田ノ浦番屋~コミュニティ・文化・生業の再生拠点」と新妻慎也さん、新長一茂さん(wiz専門学校国際情報工科大2年)の「箱庭~安心と安全子どもたちの未来へ」だった。 
 審査は、木曽善元氏(木曽善元建築工房代表)を委員長にJIA東北の地域会メンバーらが担当し、投票で各賞を決めた。 
 記憶の丘は、宮城県名取市閖上地区の復興まちづくり計画という課題に対し、記念碑や住民の憩いの場、震災の記憶の保存装置となる丘を提示。現地に残る基礎や塀の一部を建築で保存し、震災を追体験する空間とともに、がれきでつくる丘で内包することで、復興していくまちと、変わらずに残り続ける記憶をモニュメンタルな建築で表現した。 
 最優秀、優秀賞以外の入選作品は次のとおり(敬称略)。 
 〈みやぎ建設総合センター賞〉ひとの編み目、まちの編み目=塩田佑太郎(東北大3年)。
 〈東北専門新聞連盟賞〉都市のヴォイド~高密度な都市空間における小学校の提案=永久淳一(東北大3年)▽水と暮らす つかずはなれず=中井奨太(日大4年)。 
 〈河北賞〉伝=加藤雅人、平塚亮太郎、福田浩之(秋田県立大3年)。 
 〈特別賞〉たかだいたがだいの灯=後藤忠平、秋山由衣、山口裕史(八戸工大4年)▽ひとりだけふたりだけかぞくだけ=米田菜奈子(東北芸工大3年)▽Ripple-音と暮らしのミュージアム=堰内宏香(秋田県立大3年)。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月24日 6面

Related Posts:

  • 【伊東豊雄】「自然とともにどう生きるか」が21世紀の建築 日本工学院で講演  日本工学院八王子専門学校は11日、東京都八王子市の同校八王子キャンパスで建築家の伊東豊雄氏を招き、講演会「地域から生まれる建築」を開いた=写真。建築やデザインを学ぶ学生と卒業生が参加し、熱心に耳を傾けた。  伊東氏は、東日本大震災の被災地支援活動の建築プロジェクト「みんなの家」の取り組みについて紹介し、「シンプルな箱をつくった方が美しいという20世紀の建築は終わった。21世紀は自然とともにどう生きるか、若い人たちと一緒に考えてつくりたい… Read More
  • 【建築】森の風が通り草花に包まれるオフィス 環境配慮も抜群のコープ共済プラザ  「ハーブの香りが広がり、それが働く上でのリラックス効果にもなっています」。東京都渋谷区で日本コープ共済生活協同組合連合会の本部として「コープ共済プラザ」が運用を始めたのはことし5月。行武麗子広報グループマネジャーは本部ビルの感想をそう表現する。オフィス内には設計者の計算どおりに、風が通り抜けている。  建設地には南西に明治神宮の森が広がる。設計を担当した日建設計の羽鳥達也設計部主管は「ここは森からしみだす風によって気温が東京… Read More
  • 【折り紙構造物】展開時の構造的剛性実現で応用方法に期待 舘知宏東大大学院助教授に聞く  「折り紙」を応用することで、構造的な固さと折り畳みや展開する柔らかさを両立した新しい構造物が誕生した。折り目を持つ立体構造を組み合わせることで、折り紙を応用した従来の構造物より100倍の強度を発揮できるという。開発した東大大学院の舘知宏助教は「これまでの折り紙構造物は折り畳む柔軟性と構造物としての強さを異なる研究領域として取り扱ってきた。今回の研究は両分野を車輪の両輪としてつなぐものになるだろう」と語る。  「モノのつくり方が変わる時代… Read More
  • 【展覧会】フランク・ゲーリー展「“I Have an Idea”」 16日から2/7まで@東京  波打つ流線型のデザインで知られる世界的な建築家、フランク・ゲーリーの思想を紹介する展覧会「建築家フランク・ゲーリー展“I Have an Idea”」が16日から東京都港区の21-21DESIGN SIGHTで開幕する。模型、オブジェ、スケッチ、映像資料などを通じて、「ゲーリー建築」創造の源を明らかにする。  15日に開かれた記者会見に出席したゲーリー氏は展覧会に取り上げられた自作について、「世界各地の建築や芸術が持っている歴史を繰り返… Read More
  • 【木造高層化】CLT(直交集成材)に熱視線! 構造基準告示で地域材活用に弾み  「2016年度は木材加工業界にとってのターニングポイントになる」と、日本CLT協会の中島洋事業部長は手応えを口にする。一般社団法人化から1年半が経過し、会員企業は250社に手が届く勢い。最近は月に十数社の割合で会員数を増やしている。欧州生まれのCLT(直交集成材)=写真=は国産材活用の流れを追い風に、日本でも法整備が進み、16年度早々には普及の足がかりとなる構造基準が示される見通しだ。木造の高層化が現実のものになると、建設業界や住宅業界… Read More

0 コメント :

コメントを投稿