事故調の調査(写真提供:北陸地方整備局) |
事故発生後、坑内に縦ボーリング孔を設置し可燃性ガスを吸引したことで、ガス濃度は現在ゼロ%LEL(爆発下限界)となっている。今後の施工上の課題については、豪雪地帯の当該個所では冬季に工事を休まざるを得ず、工事用電源が確保できないことから、長期間にわたって送風・換気を行えず、坑内に可燃性ガスが蓄積される恐れがあると指摘している。そこで、越冬対策として▽縦ボーリングによる自然換気の実施▽休工期間中も坑内に帯電防止風管(2系列)を存置▽坑内8カ所に定置式計測器を存置▽切羽天端部まで3インチの給水管を延伸し、吸気管路を確保--に取り組むこととした。
工事の再開に当たっては、越冬後の入坑前に計測器と吸気管から坑内の空気を採取し、ガス濃度を測定。その後に坑内換気(送風方式)を実施して、可燃性ガス、酸素濃度の安全性を確認した上で、ガス測定員による計測を行いながら入坑するとしている。
可燃性ガスの検知方法では、「ガス爆発に関する危険度の評価(山岳トンネル工事にかかるセーフティ・アセスメント)」を見直し、同トンネル(十日町工区)工事と同様にランクI(危険性が非常に高い)に引き上げる。坑内には自動警報装置を設置するとともに、爆発下限界の25%LELを超える場合に備えて、自動的に電源を遮断する装置を導入するとしている。
次回会合では、同トンネル(南魚沼工区)その2工事の爆発事故防止策と配慮事項に関する提言をまとめる。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月16日 7面
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