2012/10/17

「東京駅丸の内駅舎は、まちの“王冠"だった」 藤森照信氏が建築史語る!

講演する藤森氏
交通協力会が開いた「東京駅丸の内駅舎保存復原工事完成記念・連続講演会」で、各分野の第一線で活躍する研究者や実務家ら10人が、約100年の歴史を持つ東京駅について、専門の立場から多彩な話題を提供した。建築史家・建築家としても活躍する工学院大教授で東大名誉教授の藤森照信氏が『首都計画と東京駅の百年』を演題に特別講演した。
 藤森氏は、鉄道技師ベルチャーによる駅舎を4棟に分けた和洋折衷のデザインに対し、辰野金吾が反対したことをきっかけに、「彼に設計が託されることになった」と述べた=写真。バラバラだった建物を1つにつなげた第一案は気に入っていなかったが、日露戦争に勝ち、予算を増やすことができたため、戦争に勝った際は万歳をして喜んだことも紹介した。最終的なデザインは英国の建築家・ノーマン・ショウによるヴィクトリア建築を参考にし、「まちの中に1つの“王冠"をつくろうとした」と解説。「皇居に対してにじり寄る感じが出ている。東京駅は大の相撲好きだった彼にとっての“土俵入り"だ」と話した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月17日 2面

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