イタリア・パドヴァ市で隔年開催している「バルバラ・カポキン国際建築ビエンナーレ」の第2回日本巡回展が、東京都千代田区のイタリア文化会館で開かれた。最終日の3日に行われた「地方から発信する建築」をテーマにしたシンポジウムでは、若手建築家が地域と建築の関係や地域性の考え方などを通じ、地方から生まれる新しい建築の可能性を提示した=写真。
建築賞と建築展の2本柱で構成する同ビエンナーレは、地域性に重点を置いていることが特徴で、これまでに5回開催している。
講演する隈氏 |
若手建築家によるパネルディスカッションでは、11年度に「島キッチン」(香川県豊島)で建築ディテール特別賞を受賞した安部良氏が、日本の中の地域性について「駅前の風景は日本中どこも同じ。その中で地域性を出していくことが大きなテーマ。地域性は人の中に根付いており、生活者の個性を取り込んだ住宅が地域性につながる」と述べ、そこに住む人の記憶、歴史を掘り返すことで自然に地域性が出てくるとした。
前田圭介氏は「地域に住む人からヒントを得ている。職人とふれあうことで地域が感じられ、学ぶことが多い」と、安部氏と同様に人の中に地域性を見出していることを紹介した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月11日10面
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