2012/10/15

フジテックがエスカレーター改修で独自工法 既存トラス残して最新機に

古いトラスを生かして最新機種に
フジテックは、本体を支えている既存のトラス内に、最新のエスカレーターをトラスごと収める独自の工法を開発した。既存のエスカレーターをすべて撤去するフルリニューアルと比べ、周辺の建築工事を含む設置期間は15日短くなり24日、費用も約20-25%削減でき、平均約2500万円程度で済むとしている。15日から販売を始める。同社は現在、安全性を重視した安心リニューアルや制御、フルリニューアルのメニューがあるが、新工法は販売から1年間に50台の受注を目指すという。
 開発したのは「フィットinトラス」工法で、同社が昨年開発、従来の機種に比べトラス幅が200mm、梁間の寸法が115mm短い業界最小のエスカレーター「スリムフィット」を収める。
 国内のエスカレーター設置台数は約7万台で、7000-1万台のリニューアル需要がある。「制御リニューアルとフルリニューアルの間を埋める商品として、20-25年を一つの目安にリニューアルを提案していく」(同社)。
 工法は、エスカレーター周辺の建物の天井や壁を始め、外装をそのまま残すため、設置期間が15日短くなる。専用の門型(治具)を上階と下階に1基ずつ設置して組み立てていく。工事個所以外のエスカレーターを稼働しながらリニューアルできるので、商業施設の場合には工事周辺の店舗などを営業しながら工事を進めることができる。
 商業施設や駅・ホームなどに有効で、既に引き合いがある。受注から仕様を決め、製作まで約4カ月で出荷する。
 専用の門型は東西に1セットずつあり、引き合いに応じて増産するほか、実地研修を重ね、動向に応じて施工チームを増やしていく。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月15日 3面

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