東日本建設業保証会社(小野邦久社長)の建設産業図書館が、11月1日で開設10周年を迎える。同社の創立50周年記念事業として、企業図書館でありながら社会に開かれ、誰でも無償で利用できる。しかも日本唯一の建設専門図書館として独自の存在意義を発揮してきた。蔵書数約5万点で、建設産業史、土木史、建築史、社史・団体史・伝記、建設統計、建設業関連法規、雑誌のバックナンバーなど貴重な文献がそろっている。
最近は、労務安全などのビデオ・DVDの貸し出しが人気を集めているほか、建設関連文学書コーナー(377点)にも力を入れ、専門的だが一般的で親しみやすいサービスの提供を目指している。
2代目事務局長の関司氏は「最近の利用者を見ると、75%は企業関係の方で、その意味では、当社の顧客サービスに役立っている。一方、学生の利用は1%台なので、もっと若い人たちに広めて、建設産業に興味を持っていただければ」と今後の抱負を語る。卒論作成やゼミのテーマにも役立つはずとし今後はホームページの充実や浜離宮建設プラザで行われるセミナーでもPRしていきたいとする。
館内には、古川修京大名誉教授寄贈の「古川修文庫」、菊岡倶也図書館初代館長寄贈の「菊岡倶也文庫」もある。また、同図書館では、建設産業史研究会を2カ月に1回開催しており、次回は第63回で、11月16日午後3時から開催。森下憲樹建設経済研究所研究理事による「入札契約制度の変遷」の講演が行われる。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月23日 2面
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