2012/07/09

電気と熱のハイブリッドで太陽光変換効率が40%に 日比谷総合とNTTファシ

開発したハイブリッドパネル
 日比谷総合設備はNTTファシリティーズと共同で、太陽光発電技術と太陽熱利用を組み合わせた太陽光ハイブリッド(複合)システムを開発した。太陽電池パネルの裏面に熱を収得するモジュールを搭載したハイブリッドパネルにより、太陽エネルギーを電気と熱に変換することができる。千葉県野田市にある日比谷総合設備の技術研究所に試験設備を構築し、実証試験を始めた。実証試験の結果を基に、今期末から来期前半にかけて商品化を目指すという。電気と熱の需要がある介護施設や病院といったヘルスケア領域、郊外型の店舗を中心とした飲食店領域を想定している。

 実証試験は、太陽エネルギーの総合変換効率40%を目指しているほか、太陽電池の温度上昇による発電損失の低減や電気と給湯の需要に対応できるようにし、将来は冷熱と温熱による空調利用も検討する。試験設備として定格発電出力が約2・4㌔ワットの太陽光ハイブリッドシステムと、比較用として通常の太陽光発電システムを同じ容量で構築した。
 運転後は、太陽光ハイブリッドシステムの発電能力や給湯能力を定量化するとともに、太陽エネルギーの総合変換効率、コスト、熱利用方法などについて総合的に評価する。特に、夏季は取得熱量の増加と熱の吸収による太陽電池の温度損失の低減が期待できるとみている。
 太陽電池パネルの電力変換効率15-18%、温度損失10-20%、温度係数がセ氏1度当たり0・4-0・5%、熱取得モジュールの熱取得効率10-25%に設定した場合、現時点の試算で総合変換効率は40%で、単純回収年数は10年以下が目標だという。約1年、データ取りする。

『今こそ知りたい最新ガイド太陽光発電 (ニュートンムック Newton別冊)』 AmazonLink

Related Posts:

  • 【進め!解体機】コベルコ建機がフェア開催 フルラインアップが集結! コベルコ建機と、販売子会社の東日本コベルコ建機は27日、千葉県市川市にある東日本コベルコ建機の市川センターで、「コベルコ解体機フェア」を開いた=写真。東京五輪関連や都市再生に向けてビル解体の需要が増えていることから、解体機専用の展示会・試乗会として、初めて開催した。  236社から451人の建設機械を取り扱う事業者が集まった。3tから200tクラスまでの解体機がフルラインアップで集結し、このうち15台で試乗体験を実施した。試乗したオペレータ… Read More
  • 【技あり】現場の資機材をICタグで無人積み込み・搬送! 大林組が実用化 大林組が開発した、建設現場の資機材を水平搬送するロボットが現場の省力化に大きく寄与している。ことし6月に開業した虎ノ門ヒルズの現場で、このロボットを活用した「自動搬送システム」を初適用し、従来の搬送方式に比べて2分の1から3分の1程度に省力化する成果を残した。現在は、商業施設などワンフロアの面積が大きく、長尺な資機材の搬送が多い現場向けに、けん引型のロボットも開発して試験適用を始めた。  建設工事で取り扱う資機材は大きく重量のあるものが多く… Read More
  • 【坑内火災対策】火を起こし煙を充満させ…前田建設と釧路コールマインが緊迫の合同訓練 前田建設が、国内唯一の坑内掘石炭生産会社である釧路コールマイン(北海道釧路市)とトンネル災害対策の合同訓練を実施している。業種・業態の異なる両社だが、ともに専門の救護隊を持ち、「安全対策に関しては同じ理念を持っている」(釧路コールマイン救護隊の松金孝生隊長)。しかし、ありきたりな訓練ではない。坑内火災の想定どおり、実際に火を起こして坑内に煙を充満させる。マスクと静電防止服に身を包んだ隊員たちは、酸素呼吸器を背負って高温と濃煙に満たされた坑内… Read More
  • 【ハロウィン】これが建設プロ集団の仮装だ! イマムラが「ハロウィン・パレード」初参加 塗装やリフォームなどの工事を手掛けるイマムラ(川崎市川崎区、今村文治代表取締役)は、26日に川崎市内で開かれた「ハロウィン・パレード」に初参加した=写真。 約15人が「進撃の巨人」や「アナと雪の女王」のコスチュームを身にまとい、建設プロ集団の仮装を披露した。  同社は「子供たちに夢のある企業でありたい、地域貢献し都市の活性化に寄与し、全ての人がお客様と思い皆様に喜んでいただきたい」を合言葉に、コミュニケーションづくりの一環として、カワサキ… Read More
  • 【BIM】ジョブズが支援した「ArchiCAD」誕生から30年 デザインフリーダムを実現 グラフィソフト(本社・ハンガリー)のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト『ArchiCAD』が誕生から30年の節目を迎えた。ズヴェーニ・ルックス・ミクロシュ副社長(写真左)は「グローバルであり続けるため、ローカルを常に意識してきた」と、これまでの歩みを振り返る。開発の方向性は時代とともに変化し、現在は「デザインフリーダムという考え方に行き着いた」と強調する。  1984年に誕生したArchiCAD。創設者で物理学者の… Read More

0 コメント :

コメントを投稿