現在の「東京イースト21」 |
4階建てのビジネスセンター棟の屋上に供給能力700㌔ワットの中圧ガスを使ったコージェネレーションシステムを設置し、既存システムと合わせて1400㌔ワットの供給量に増強する。ガスによる発電比率はピーク時の4分の1を占め、これに自家発電の3000㌔ワット分を合わせると、現契約電力の約9割を自ら賄うことになる。
同社によると、コージェネレーションの最適化はオフィスやホテルなど熱や電気の需要パターンの異なる複合施設であるために実現できる。大規模な複合開発では、建物間で熱エネルギーを無駄なく、融通しながら利用できる点で「スマートタウン化には最適」(平岡雅哉設備設計統括グループリーダー)としている。
機能強化では、ガスエンジンシステムなどから発生する廃熱を利用する冷凍機も新設し、空調熱源のエネルギー率を2割向上させる。21階建てのオフィス棟では企業のBCP(事業継続計画)対応として、各フロアの専有部にも停電時に事業継続に必要な電力として1㎡当たり約20ワットを供給するほか、電力とエネルギーの使用量を表示するシステムも導入する。
1992年7月に竣工した東京イースト21は、総延べ14万1803㎡で、オフィス棟、ホテル棟、商業棟などで構成。実用レベルのスマートタウン化は日本最大級の規模となる。コージェネレーション部分を除く改修費用は約29億円。このうちエネルギー関連は15%程度を占める。
導入したスマートエネルギーネットワークは、東京ガス、エネルギーアドバンス(東京都港区)と共同で設計した。維持管理や運営については2社が主体となり、同社は使用料を支払い、システムを使う。今回の改修はオフィス棟の8割程度を占めていたキーテナントの退去が決まり、新たなテナントを誘致する手段としてスマートタウン化に踏み切った。
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